第1話 春告げの桜
シーンD
○出会いの泉
夕暮れ
泉の木の上で剣を持ち待つタケル。
マーハが現れる。
タケル 「やっと来たか。逃げ出したかと思ったぞ!」
タケル、もう1つの剣をマーハの足元に投げる。
タケル 「早く登って来い。俺と勝負しろ!」
マーハ 「わたしがここを出て行く!それでいいんでしょう?」
タケル 「黙れ!お前にルラの資格があるのか、この俺が試してやる!」
マーハ 「…」
マーハは説得を諦め丸太に登る。
マーハの顔が赤く照らされる。
2人対峙。
タケル 「さあ、かかってこい!」
マーハの表情は凍りつく。
マーハ 「村が…」
タケル 「え?」
マーハ 「村が燃えてる!」
タケル 「な!」
タケルは後ろを振り返る。
炎に包まれている村。
村の上に黒い影が無数に飛んでいる。
黒い影の正体である魔将がズームアップされる。
タケル 「魔将!」
タケルは木から飛び降りる。
マーハも少し間を置いてタケルを追いかける。

○森の中
森の中を走るタケル。
ガザッいう大きな音と共に魔将オークが襲いかかる。
タケル 「化け物!お前が魔将だな」
魔将A(オークA) 「オ…マエ。ルラ…カ?」
剣を構えるタケル。
しかし後ろから不意にもう1匹(オークB)現れる。
タケル 「しまった!」
オークBに首を締められるタケル。
タケル 「グッ、ああっっ…」
オークBの後ろから助けに来たスサノオ。
オークBを斬りつける。
オークBは黒く光り灰になる。
タケル 「ゲハッ…」
咳き込むタケル。
スサノオ 「大丈夫か?タケル!」
タケル 「うっ、ああ」
タケルは頷き、態勢を立て直す。
スサノオ 「額の石を。魔晶を狙え!」
タケル 「くっ、はあああ!」
タケルはオークAの額の宝石を突く。
オークAも倒れる。
タケル 「ふう」
スサノオ 「マーハはどうした?」
タケル 「そういや…」
スサノオ 「馬鹿者!こ奴等の目的はマーハなのだぞ!」

○同 森の中
タケルを見失ったマーハは森で1人迷っている。
マーハ(M) 「全部夢なんだ。きっと!」

フラッシュバック
村を襲う黒い影

マーハ(M) 「あれが魔将。あんな化け物と私が戦うの?」
?(ルシファー) 「銀の髪とは珍しいな」
マーハ 「!」
後ろに四天王の1人、ルシファーが立っている。
マーハ 「あなたは誰?」
ルシファー 「我らが魔王・四天王の1人『ルシファー』!」
同時に持っていた剣の切っ先をマーハの首元へ。
マーハ 「!(息を呑む)」
ルシファー 「貴様が『導きの星』ルラか?」
マーハ 「…」

フラッシュバック
ビル屋上のマーハ

無表情のマーハ。
マーハ 「わたしを殺すの?」
ルシファー、その豹変した様子に怪訝。
ルシファー 「……。つまらん、ただの小娘か。まあいい」
剣を下ろすルシファー。
ルシファー 「いずれにせよ、この村の人間は皆殺しだ」
ルシファーは空中に浮いた後消える。
ナギ、マーハの元に走ってくる。
ナギ 「マーハ!無事か?」
ナギはマーハが震えているのに気付く。
マーハ 「わたしを殺す…。死ぬ、シヌ!シヌ!…みんな死んでしまう!」
錯乱しているマーハ。
ナギはマーハを静かに抱きしめる。

ナギ 「大丈夫。君は生きる…。生きて新しい世界を創るんだ」

うずめた顔を離すマーハ。
マーハ 「ナギ…?」
ナギ 「早く行こう。ヒミコ様が待ってる」

○ヒミコの館
集うヒミコ、スサノオ、タケル、ナギ、マーハ。
ヒミコ 「ようやく揃いましたね。今、村の者が応戦していますが、それも時間の問題。タケル、マーハ。あなた方はここより逃れなさい」
タケル 「冗談じゃない!俺も戦う」
ヒミコ 「万が一の為、この館より海岸へ洞穴が掘ってあるのです。使う事の無い様祈っていたのですが…」
マーハ 「嫌!あなた達、死ぬ気でしょう!」
ヒミコ、スサノオ、ナギ。
その表情。
ナギに目配せを送るスサノオ。
ナギは自分の髪を束ねていた布をマーハの額に巻きつける。
ナギ 「奴等はルラの額に星の刻印がある事を知らない。でも、もしもの為さ。…生き延びるんだ…」
マーハ 「ナギ…」
マーハ、涙で目は潤んでいる。
ナギ 「タケル…」
ナギはタケルの耳元に囁く。
ナギ 「守ってやれよ、俺の代わりに…」
タケル 「…」
ナギは1人で館の外、広場の桜へ走り出す。
村中に響き渡るような絶叫。
ナギ 「魔将共!俺が『導きの星』ルラだ。かかって来い!」
群がる魔将。
飛び散る血。
そして炎に照らされ赤く散る桜の花弁。
タケル 「やめろ〜〜〜〜〜!」
しかし、タケルはスサノオに押さえつけられどうする事も出来ない。
マーハは呆然と立ち尽くしている。
瞳から流れ落ちる涙。
ヒミコ 「時が経つのは早いもの」
タケル&マーハ 「…」
背後の掛け幕を捲るヒミコ。
そこには壁に掘られた抜け道。
ヒミコ 「ここより村の外に出られます。これをお持ちなさい」
包みと短剣をマーハに渡す。
後に村の宝剣をタケルに渡し、その首にブルーストーンのペンダントを掛ける。
ヒミコ 「貴方を正式にブルーストーンのレインとします。いえ、13年前、スサノオが貴方を授かったときより定められていたのです」
タケル 「俺は…」
ヒミコ 「貴方と血の繋がりがなくとも、短い間でしたが父と母でいれて良かった」
マーハ 「……」
マーハはおもむろに短剣を抜く。
銀の髪を束ねた元から切る。
マーハ 「涙はとうに枯れたものと思っていました。行ってきます。だから…どうか…ご無事で」
ヒミコ 「……」
ヒミコ、嬉しげに、そして憂いを含め微笑む。
そこへ3匹の魔将。スサノオの応戦。
スサノオ 「急げ、ヒミコ!」
ヒミコ 「もう時間がありません。さあ、早く!」
タケル 「嫌だ!俺も戦う!」
ヒミコ 「私達は貴方が救う世界を望んでいるのです!」
タケル沈黙。
そうして、意を決しマーハと共に洞穴へ。
ヒミコ印を切る。
洞穴の入り口は崩れ埋まる。
ヒミコ 「ラシューヌ神のご加護のあらん事を…」

○ 海岸
嵐の夜。
2人海岸に辿り着く。
2人の為に用意された様な小さなイカダ。
マーハ 「どうする?」
タケル 「イカダがあるな…」
マーハ 「無茶かもね」
そう言いつつも、2人嵐の海へ。
イカダ壊れながらも必死に2人はその残骸にしがみ付く。

○ シャヌーン海岸
朝。
イカダの残骸と共に、流れ着いた2人。
共に気を失っている。
タケル 「ううっ」
タケル、目を覚まし体を起こす。
タケル 「助かったのか、俺達?」
マーハ 「…そうみたい」
起き上がるマーハ。
前方に街を見つける。
マーハ 「あっ、あれ!」

街の場景。

マーハ 「行こう、タケル!」

タケル 「ああ。それがみんなの夢だった」

To be continued…
LEGEND