第2話 死者の送り
シーンA
○魔王城・ヴァティスの間
四天王のシルエット(ルシファー除く)
ルシファー 「『導きの星』ルラは死んだ。残るはレインか…」
男の影A(ガルシアン 「レッドストーン、オレンジストーン及びグリーンストーンのレインは既に捕捉している。他のレインも時間の問題だな」
男の影B(ダルシアン) 「……」
少女の影(ウィザーズ) 「我等が魔王に逆らう伝説のレインに死を…」

○【サブタイトル】



○テーベの街・宿のカウンター
タケルとマーハはそれぞれ旅支度を済ませている。
マーハ 「一泊できますか?」
女主人 「ああ」
女主人は帳簿を取りだし、付けはじめる。
女主人 「その年でこの時世に旅とはねえ…」
マーハ 「……」
タケル 「…この街、やけに静かだな」
女主人 「今日は特にね。『死者の送り』の日だからさ」
タケル 「『死者の…送り』?」
女主人 「まあ、言ってしまえば街総出の葬列といったところかね」
マーハ 「誰か亡くなったんですか?」
女主人 「ああ…」
一息置く、女主人。
女主人 「『導きの星』ルラがね」
タケル 「!」

○同街 大通り
鐘の音。
そして徐々に聞こえてくる多数のベルの音。
2人は宿の入り口に出る。
黒衣を羽織った街人の行列。
その数の多さに街の大通りは黒く染まっている。
タケル、マーハその表情。
ナギに似た横顔(ただし髪はフードで見えない)を群衆の中にタケルは見つける。
タケルの驚きを隠せないつぶやき。
タケル 「ナギ…」
マーハ 「え?」
タケル 「ナギ。生きてたのか!」
タケル葬列の中へ。
マーハ 「タケル!」
マーハはタケルを追いかける。
タケルはその少年を追いかける。
息を切らす2人。
タケル 「ナギ、待てよナギ。待てったら!」
マーハ 「タケル、どうしたんだ?」
タケル 「ナギだッ。ナギが生きてたんだ!」
いつの間にか3人は葬列を外れ裏通りに出ている。
タケル 「どうしたんだよナギ…。返事してくれよ」
マーハ 「タケル…ナギは…」
マーハ言いかけ異様な気配に気付き後ろを振り向く。
ジュウジュ、ペンソの2人。
マーハ 「何だ?あなた達!」
少年(グリン) 「素人の尾行はバレバレなんだよ!」
グリン、タケルの鳩尾を突く。
タケル 「ぐッ」
タケルは倒れながら。
タケル 「ナ…ギじゃない」
気を失うタケル。
マーハ 「タケル!」
グリン 「おッと、スト〜ップ!動くなよ。連れのガキがケガするぜ」
マーハ 「くッ」
グリン 「おとなしくついて来な!」

○グリーン・ウッド(以下GW)アジト・地下室
2人は後ろ手に縛られて、足枷を付けられている。
タケル 「うッ…」
マーハ 「気が付いた?」
タケル 「ここは…。そうだ、ナギは!」
マーハ 「相手を間違えたね」
タケル 「?」
グリン 「そういうこった」
フードを取る。
緑色の髪、とがった耳。
その後ろにジュウジュ、ペンソ。
タケル&マーハ 「!(驚)」
グリン 「オレ様たちゃ、盗賊でな…」
グリン、ナイフをタケルの首へ。
タケル 「くッ」
グリン 「シャドウが!」
タケル 「シャドウ?」
遠く(上の階?)で声。
中年の女の声(グリーク) 「何だって!シャドウを捕まえた?」
幼い少年の声(ダイス) 「うん、グリンの兄貴が…」
中年の女(グリーク)が上の階より降りてくる。
グリンによく似た三白眼。
グリンの横で鑑定するようにタケルとマーハを見る。
グリーク 「ふ〜ん。なるほどねぇ〜」
グリン 「がははははッ。なあ、おふくろ!このグリン様の手にかかりゃ、シャドウの1人や2人…」
グリークはグリンの頭をグーで殴る。
グリン 「いってぇ〜。何しやがる、クソばばあ!」
グリーク 「シロだよ。第一何でシャドウが2人も居るんだい!」
グリン 「その銀の頭の坊主は連れなんだよ」
マーハ 「…坊主って(苦笑)」
グリーク 「……」
一変して真剣な表情のグリーク。
グリーク 「…ルラが死んだ」
グリン 「分かってる。だから、…だからこのオレ様が…」
一息置くグリン。

グリン 「ルラになってやろうじゃねえか!」

再びグリークはグリンの頭をグーで殴る。
グリン 「つ〜ッ。又殴りやがったな、クソばばあ!」
グリーク 「何も分かっちゃいないね。言っただろ?『星のロッド』はルラにしか扱えない!」
マーハ 「『星のロッド』…って?」
グリンとグリークはマーハを見る。
マーハ 「『星のロッド』って一体何なんだ?」
グリン 「か〜ッ。いよいよ怪しいぜ!」
タケル 「違うんだ。こいつは関係無い!俺があんたをナギと間違えた。人違いだったんだ。それだけだ!」
マーハ 「……」
マーハ、グリークを見つめる。
その表情。
グリーク 「(マーハに)坊や、知ってどうすんだい?」
マーハ 「それが欲しい」
グリン 「こッ、コイツ!」
グリーク 「グリン!」
今までにない大きな声で制するグリーク。
グリーク 「ふ〜ん、なるほどねえ〜。あたしはグリーク。この盗賊団『グリーン・ウッド』の頭さ」
グリンの頭をグチャグチャと撫でるグリーク。
グリーク 「んで、このバカ息子がグリン」
グリン 「バカは余計でい!」
グリーク 「(グリンを無視)『死者の送り』…見ただろ?ルラを失ったここ、テーベは絶望に取りつかれてる。だが、それだけじゃあない。この街には姿を変える魔将『シャドウ』がいる。特にあたし等は目の敵にされているのさ。そこでだ、取引をしようじゃないか?」
マーハの足枷を外す。
グリン 「おいッ!」
マーハ 「取引?」
グリーク 「連れの坊やの疑いを晴らしたいんなら、あたしらと一緒にロッドを取りに行くんだ」
グリン 「じょッ、冗談だろババア?」
やっぱりグリークはグリンの頭をグーで殴る。
グリン 「……!!」
グリン、その痛みに言葉になっていない。
グリーク 「つべこべ言わずに、とっとと支度しな!(マーハへ)いいかい、足手まといはゴメンだよ!」
そのままグリークは上の階へ上がる。
グリンも不服そうにタケルを見た後、グリークの後へついて行く。
タケル 「マーハ、大丈夫なのか?…俺が代わりに…」
マーハ 「タケルが行ってもしょうがないだろう?やってみるよ」
返事をするようにマーハは微笑む。
○【アイキャッチ】