第2話 死者の送り
シーンB
インサート・マーハの回想
「GW」アジト。
旅立ち前。
見送りにリップとダイスが居る。
ダイス 「(グリンに)行ってらっしゃい、兄貴!」
グリン 「おうよ、ダイス。あのヤローの見張りは任せたぜ。オレ様のカンだと直にボロを出す」
ダイス 「うん、分かった。おいら頑張る!」
ペンソ 「張り切り過ぎだよ、お前」
ペンソ、苦笑い。
グリン 「んじゃ、リップ。ダイスを頼んだぜ」
リップ 「分かったわ。気を付けてね。グリン、お兄ちゃん、ペンソ」
ジュウジュ 「はははッ(笑)。ナイスだぜ、グリン!」
ガクッ…と膝を落とすダイス。
ダイス 「そりゃないよぉ、兄貴ィ〜」
グリン 「戻ったら、シャドウをぶっ倒してやんかんな」
グリン、ダイスの頭をグシャグシャ撫でながら。
グリン 「その前に『星のロッド』を手土産に取って来る。このオレ様がルラになる記念すべき日だ。タラ腹の飯を用意して待ってろよ!」
回想終了

○ハサラ砂漠
リバス・ピラミッドへと向かう一行。
グリーク、グリン、マーハ(手は縛られている)、ジュウジュ、ペンソの5人。
グリンはジュウジュ、ペンソと共に何やら3人で楽しそうに話している。
マーハ(M) 「『星のロッド』…」
マーハ 「あの…(グリークに)『星のロッド』って一体何なんだ?」
グリーク 「…、ルラにしか扱えない神具。レインの居場所を示すそうだ。あたし達のそこまでしか知らないし、実際に見たことすらない」
マーハ 「身1つじゃ駄目って事か(苦笑)」
グリーク 「ほら、あれが『リバス・ピラミッド』。『星のロッド』が眠る古代帝国時代の遺跡さ」
リバス・ピラミッドの場景。
マーハ 「入り口が見当たらないな…」
グリン 「ホンっトぉ〜、バカだなてめえ」
マーハ 「?」
マーハのきょとんとした顔。
グリン 「テメエみてえなちんちくりんにロッドをみすみす渡すわけねえだろうが!」
マーハ 「ちんちくりん…(苦笑)」
ジュウジュ 「そおそお。新生ルラ・グリン様様降臨の場を拝ませてやるだけェ〜」
ペンソ 「ああ、2人共その位にしておかないと〜…」
グリークはグリンとジュウジュの頭をグーで殴る。
ジュウジュ 「つッ〜」
グリン 「あのなあ、人の頭を何回殴りゃ気が済むんだ!」
グリーク 「時間だよ」
GWの4人はゴーグル装着し、スカーフをマスクに。
グリークはマーハのマントのフードを頭に縛る。
マーハ 「うわッ!」
グリーク 「いいから、息止めな!」
5人はその場に起こった流砂に呑まれていく。

○同 地下空洞
直前に天井に砂漠、逆さになったピラミッド。
天井から砂の塊と一緒に落ちてくる一行。
グリン 「ぷッッは〜」
それぞれゴーグル、スカーフを取る。
ピラミッド先端に位置する門に近づくジュウジュ。
マーハ、逆さのピラミッドを見上げて。
マーハ 「すごい…(驚)」
グリーク 「ハイ・エルフの古代技術さ。あたし等には理解できないね…」
ジュウジュが門を爆破する。
ジュウジュ 「開いたぜ、グリーク!」
グリン 「ッしゃ〜、腕が鳴るぜ!」
グリン、ジュウジュ、ペンソは入り口の前へ。
グリーク 「あたし等はここまでしか来た事が無い。これからが本番だ」
マーハ 「はい…」

○リバス・ピラミッド
5人入り口前へ。
ピラミッド上部構造に果てしなく続く螺旋階段がある。
GWの4人は何やら気付いたような真剣な表情。
グリン 「(マーハに)遅れんじゃねえぞ!」
グリンが走り出したのを合図に一斉に駆け上る4人。
やや遅れてマーハ。
階段はマーハの直後ろから崩れていく。
マーハ 「ひゃあああッッッ!」
グリーク 「上はまだかい!?」
グリン 「まだ見えねえ!」
ペンソ 「足が、足がつる〜!」
ジュウジュ 「光だ!」
5人セーフ。
積み重なるように上部構造階段出口へ。
グリンとグリークを除いた3人はすっかり息が上がっている。
マーハ 「はあ、はあ……」
ペンソ 「いちちちちち……」
ペンソはジュウジュにつった足を治してもらっている。
グリン 「訓練不足なんだよ、おめえは…」
グリン、周囲を伺うグリークに気付く。
グリン 「どうしたババア?」
通路の奥を見るグリーク。
グリーク 「先客が居るようだね」
グリン、ジュウジュ、ペンソはそれぞれ小剣を構える。
マーハは身構えるのみ。
通路奥より波打つ床石。
魔将サンド・ウォームが2匹(A、B)姿を現す。
グリーク 「(マーハに)見てなよ」
マーハ 「えっ?」
グリーク 「これがシーフの戦い方さね」
GWの4人タッグ。
サンド・ウォームAにグリーク&グリンペア。
サンド・ウォームBにジュウジュ&ペンソペア。
グリン 「行くぜ、ババア!」
グリンが素早い動きで撹乱させた所を、グリークが確実に魔晶を突く。
灰と化すサンド・ウォームA。
マーハ(M) 「速い!」
しかし、ジュウジュとペンソはまだ手馴れていない。
グリン 「あのバカ!」
グリンが加勢に行ったその時、サンド・ウォームBを中心に床が崩れる。
グリン 「ぬわに!」
ジュウジュ 「どわぁ〜!」
ペンソ 「ひえぇ〜(苦笑)」
下部構造へ落ちるサンド・ウォームBと3人。
マーハ 「グリンさん!」
頭を抱えるグリーク。
グリーク 「あっちゃ〜、バカ息子…」
マーハ 「あ〜あ…」
グリーク 「……」
グリークは無言でマーハの縄を解く。
マーハ 「どッ…どうして…?」
グリーク 「先行くよ!」
グリークは気にも止めず通路奥へと歩き出す。
マーハ 「でも、グリンさん達は?」
グリーク 「この位でくたばる程ヤワじゃないさ」
マーハ 「この位…って、かなり落ちたような気がしますけど…」
グリーク 「この先にはおそらくシャドウが居る」
マーハ 「なッ!」
マーハ、グリークを追いかけながら。
マーハ 「だったら、なおさら合流した方が…」
グリーク 「こんな所で時間をかける訳にいかない。ルラ以外に扱えずとも破壊は出来る」
マーハ 「!(驚)」
グリーク 「知恵がある上級魔将ならそん位考える。奴等を甘く見ないことだね」
マーハ 「『シャドウ』って一体何者なんだ?」
グリーク 「魔王が放った変化自在の上級魔将…。それ位しか分かっちゃいない」
マーハ 「『魔王』…」

フラッシュバック・第1話
ルシファー登場
ルシファー 「我らが魔王・四天王の1人『ルシファー』!」
マーハ 「(呟)魔王、四天王『ルシファー』…」
グリークは聞こえているがあえて聞こえていない様に歩き続ける。
グリーク 「シャドウには貸しがある」
マーハ 「それが特に目の敵にされている訳なのか?」
グリーク 「…仲間を殺られた」
マーハ 「……」
グリーク 「仲間にダイスっていう小さな子が居ただろ?」
フラッシュバック
GW旅立ち前・グリンとダイス。
グリーク 「あの子の父親だ」
インサート
落下中、ワイヤーを壁に放るグリン。
ワイヤーにつかまった後、落ちるジュウジュとペンソに縄を投げる。
グリーク 「シャドウにとり憑かれたが最後、死ぬ事でしか奴から逃れる事は出来ない。そしてその方法でしか奴を倒す事が出来ない。それを、あのバカ息子は手を下す瞬間に迷った。その刹那にシャドウはダイスの父親の体から離れた…」
歩き続ける2人。
マーハは立ち止まる。
マーハ 「それじゃあ…」
歩き続けるグリーク。
グリーク 「あたし等は1人の仲間を失いシャドウをみすみす取り逃がした。息子を責めはしない。シャドウはあたし等『グリーン・ウッド』にとって敵なんだよ」
マーハは悲しげな表情。
そして気付いたようにグリークを追う。
グリーク 「今度はあたしが聞く番だ。マーハっていったね。お前さん達は一体何者なんだい?」
マーハ 「……」
マーハ(M) 「悪い人達じゃなさそうだ。だからこそ、巻き込む訳にはいかない」
マーハ 「…それは…言えない」
グリーク 「……。着いたようだね」

○ロッドの間
重々しい鉄の扉の前。
しかし、マーハが近づくと反応したようにひとりでに扉は開く。
マーハ 「あれが、『星のロッド』…」
七色の光柱の中にロッド(柄のみ)が宙に浮いている。
よろよろと歩み寄るマーハ。
グリーク 「危ない!」
マーハに襲いかかる黒いエネルギーの矢。
声に気付いたマーハは転がるようにして避ける。
マーハ 「何!」
グリーク 「!(驚)」
柱の影からダイスが現れる。
ダイス 「ダメだよ。『星のロッド』はラシューヌ神が『導きの星』ルラに与えたものだからね」
グリーク 「ダイス、お前…なんでこんな所に…」
マーハ 「まさか、そんな…」
ダイス 「まだ気付かないの?あのグリーン・ウッドの頭なんでしょ?ホラ、これでも…」
ダイスの顔だけを残しスフィンクスに。
魔将シャドウとなる。
ダイス 「…わかんないのかな。出でよ、サンド・ウォーム!」
地面より魔将サンド・ウォーム2匹(C、D)出現。
マーハ&グリーク 「!」
マーハ、反応が遅れる。
襲いかかるサンド・ウォームC。
グリーク 「マーハ!」
そこへ突如後方からジュウジュがサンド・ウォームCに斬り付ける。
マーハ 「あなたは…」
グリン 「足手まといはゴメンって言ったハズだぜ!」
マーハ 「グリンさん!」
グリン 「あのなあ、『さん』は寄せよ、寒気がすらあ!」
追いついたグリン、ジュウジュ、ペンソの3人。
ペンソ 「これであんた達の疑いは晴れたよ」
シャドウを睨むペンソ。
ペンソ 「ただし最悪の結果でね…」
息子達の登場にグリークの表情は心なしか明るくなる。
グリーク 「おやおや無事だったかい、バカ息子?」
グリン 「うっせぇ。又入り口から登りなおしだぜ、クソババア」
ひやりと笑い目を。合わす2人。
そして直に、シャドウを睨み返す。
グリン 「さてと…、よくも今までオレ様を騙してくれたな。ダイス!…いや、魔将シャドウ!」
ダイス(以下シャドウ) 「ははははッ(笑)それはひどいよ。このガキはさ、心底兄貴を慕ってたのにね。グリーンストーンのレイン・グリン!」
マーハ 「!」
マーハ、驚きグリンを見る。
シャドウ 「殺そうと思えばいつでも殺せたんだよ。ただね、ルラを釣る餌になってもらおうと思ったのさ。だけど、そのルラも死んじゃったしさ、用済みなんだよね…。死になよ!」
シャドウが叫ぶと同時にサンド・ウォーム達の攻撃。
5人それぞれに避ける。
一瞬グリンのスカーフの中に見えるグリーンストーンのペンダント。
マーハとグリーク以外は応戦。
グリーク 「あたしらが奴の気を引く。お前さんはロッドを手に入れな!」
マーハ 「でッ、でも!」
グリーク 「『星のロッド』はルラ・マーハ。あんたにしか扱えない」
マーハ 「!(驚)」
グリークは戦線に加わる。
先ほどの2匹と違いかなり苦戦を強いられている。
グリン(M) 「オレが又シャドウの犠牲者を作った…それも…」
シャドウの顔(ダイス)がズームアップ。

インサート
GW旅立ち前・グリンとダイス
グリン 「戻ったら、シャドウをぶっ倒してやんかんな」
ダイスの頭をグシャグシャ撫でるグリン。
グリン、ダイスの表情。

グリン(M) 「ケリはつけるぜ、ダイス!」
グリン 「ババア、ザコを頼む!」
グリーク 「!…お前には無理だ!」
同時にロッドに向かい走るマーハ。
それに気付くシャドウ。
シャドウ 「何!」
グリン 「テメエの相手はこのオレ様だ〜!」
シャドウ、自分に向かいかかって来るグリンに気付き。
シャドウ 「ははははッ、斬れるの?このおいらを?」
シャドウの姿にダイスの姿がだぶる。
同時にマーハが光柱に吸い込まれる。
胸のホワイトストーンのペンダントがちぎれ、ロッドの先端に触れた瞬間、その部屋中におびただしい白い光が放出される。





シャドウ 「何だって!」
シャドウが眩しそうに顔を歪めたその時、グリンの一太刀。
シャドウ 「バカな〜!ルラが…生きて…」
光が弱まるとシャドウも魔将も消滅している。
光はロッドの先端、ホワイトストーン部分へ。
その後、黄色に光り南を示す。
マーハが我に返りロッドを手にすると光は消える。
グリン 「ダイス…」
グリン、胸元のグリーンストーンを握り締める。
しばらく皆沈黙。
一変、グリンは急に明るい声で。
グリン 「(グリークに)やい、クソババア!」
マーハを指差すグリン。
グリン 「この坊主の事、いつから知っていやがった!ハメやがったな!」