第3話 蜃気楼
シーンA
○GWアジト
机を囲むグリークと3人。
机の上には大きな世界地図。
グリークはリバス・ピラミッドの位置を指で示す。
グリーク 「ロッドの光りは南を示した。リバス・ピラミッドより南には…」
グリーク、指を南方向へ移動。
グリーク 「このシャヌーン大陸最大の港町『メンフィス』がある」
グリン 「確かに可能性は高い…って…」
その中間の直線部分を指差すグリン。
グリン 「ハサラ砂漠を突っ切れって事か!?」
グリーク 「そうなるねえ」
タケル 「海沿いに進む事は出来ないのか?」
グリーク 「万が一、まあ考えられないがね、この経路にレインが居る可能性もありうる」
グリン 「んなの、砂漠のど真ん中に居るわけないだろ!!」
グリーク 「と言うよりはねえ、この10数年、南の街と違って海路はほとんど絶たれてるんだ。海にも魔将が現れるそうだからねぇ」
マーハ 「仕方ない、このルートで行こう」
グリン 「マジかよ!?」
マーハ 「きっと見つかるよ、イエローストーンのレイン!」

○【サブタイトル】



○ハサラ砂漠
砂漠を進む3人。
苛々しながら、大声で文句を言い続けるグリン。
グリン 「どこを見ても砂!砂!砂〜!!」
そんなグリンを気にも止めず、独り言のマーハ。
マーハ 「(呟)紅、橙、黄、翠、碧、藍、紫…」
タケル 「(マーハに)さっきから何ブツブツ言ってんだ」
マーハ 「虹色の石を持っているレインは全部で7人居るんだよね?」
タケル 「そうだな」
マーハ 「みんな無事か、ふと心配になってさ。ほら、グリンみたいに狙われてるって事が充分にありえるじゃないか?」
タケル、グリンを見ながら。
タケル 「狙われてるか…(苦笑)」
グリン 「か〜、砂!砂!砂〜!!…誰だ〜このルートで行こうって言ったのわ〜!!」
タケル 「いつまで文句たれてんだか…」
グリン 「あのなぁ、このオレ様はてめえ等と違ってと〜っても繊細な体なワケ。毎晩毎晩、剣振り回して次の日1日中歩けるッつ〜から…どうかしてるぜ。あ〜本当、恐れ致しやした!」
タケル 「そうやってクッ喋る元気はあるんだろ?」
グリン 「ああ〜これだから、ガキはいかんね〜。その上チビ!」
タケル 「関係無いだろ!三白眼!!」
グリン 「んにゃろ〜、人が大人しくしてりゃイイ気になりやがって〜!!」
タケル 「どこが大人しいんだよ!」
マーハ 「あ〜もう、やめろって2人共!」
マーハに間に入られ、言い合いはやめるが2人共苛立ちは治まらない。
マーハ 「はぁ、しょうがないよ。これだけ暑くて、しかも歩き疲れてるからイライラしてるんだよ…。少し休もう」
タケル、遥か前方を見て何か気付いた様。
タケル 「おいッ。あれ建物だよな?」
グリン 「街だ…街だ!ひゃっほう〜!!」
先に走って行く2人を呼びとめようとするマーハ。
マーハ 「あッ、2人共…」
二人はマーハに気付かない。
マーハ、ポーチの地図を広げて。
マーハ 「こんな所に街があるなんて…?」

○ギゼの街
誰も居ないかのごとく静まり返っている。
グリン 「ちわッ〜す!誰か居やせんか〜?」
建物に勝手に入っていくグリン。
タケル 「街ってと言うより大きな建物そのものだな…」
マーハ 「タケル…。実は…」
マーハ、地図を広げて。
マーハ 「この街…」
地図を覗き込むタケル。
タケル 「地図に載っていない。どういう事だ…?」
突如、居様な気配が立ち込める。
タケル 「クッ!」
タケルはマーハを庇いながら倒れる。
2人はそのままギゼの前の池に落ちる。
立ち込める黒い霧。
魔将ファントムが現れ、霧の中に光る瞳がマーハを見つめる。
一瞬視線の合うマーハとファントム。
マーハ 「!!」
異常な事態に気付きグリンが建物の中から現れる。
グリン 「マーハ!」
しかしファントムはマーハに近付かずそのまま消えてしまう。
マーハ 「消えた…」
グリン 「何だったんだ。ありゃあ…」
マーハ 「!」
我に返るマーハ、自分に覆い被さっているタケルを揺する。
マーハ 「タケル…?」
だが、反応が無い。
マーハ 「タケル!タケル!!」
必死に呼びかけるマーハ。
グリン 「おい、どうしたんだよ?」
マーハ 「タケルが…タケルが目を覚まさないんだ!」
?(レイス) 「ファントムに魂を奪われたようですね」
マーハとグリンは声をした方へ振り返ると女性が建物の入り口に立っている。
マーハ 「あなた達は…?」
グリン 「…」
グリン、睨み付けるような視線を女性に向ける。

○同街 広間



砂漠の中だというのに、広間には水場が多く設けてある。
レイスとギゼに留まる人々が3人を囲む。
マーハは、目を覚まさないタケルの上身を支え立膝。
グリンの表情はやはり険しい。
レイス 「わたくしはここギゼの長、レイスと言います」
マーハ 「わたしはマーハ、彼はグリンだ。仲間を…タケルを助けたい。どうすればいいんだ?」
レイス 「あの魔将ファントムがこの付近に済み付いてからというもの、幾度も襲われております。幸い、このギゼの中にさえ居れば消滅は免れるのですが…」
マーハ 「消滅?」
グリン 「こいつ等、この世の人間じゃねえんだよ」
マーハ 「えッ?」
グリン 「幽霊…言ってしまえば魂そのものだ」
マーハ 「!」
レイス 「……」
グリン 「魂を吸う魔将ファントムにとっちゃあ、いいエサなんだろうな。そこへ体よく俺達が通りかかった。こりゃラッキー〜♪…」
レイスにくってかかるグリン。
グリン 「んなワケで、オレ達をこの街に誘き寄せた。そうだろ?」
マーハ 「グ、グリン、落ち着けって!」
グリン 「(マーハに)坊主!こいつ等はオレ達を利用しようとしてんだぜ!危険な橋はルラとレインに渡らせて、テメエの身は侵さねえ…そういう魂胆なんだよ!!こんな奴等はほっといて、とっとと行こうぜ」
マーハ 「タケルはどうするんだ?」
グリン 「レインにゃ代わりが居るんだよ」
マーハ 「どういう事だ?」
マーハの表情は微動だにせず、凍りつく。
グリン 「ルラと違ってな、レインは死んでも、又どこかで生まれる。このままタケルがおっちんだ所で、オレ達の旅に支障はねえワケだ」
タケルをその場に静かに横たえるマーハ。
おもむろに立ち上がり…グリンの頬を平手で打つ!
グリン 「なッ、テメエの命はテメエで守る!ったりめえの事だろ〜が!!」

マーハ 「人を一人救えないようで、世界を救うなんて出来る訳ない!」

グリン 「……」
マーハ 「確かにレインの代わりは幾らでも居るのかもしれない。でも…でも、タケルはたった1人しか居ないんだ!タケルの代わりは居ない!!」
しばし沈黙。
レイス 「ファントムを倒せばお連れ様の意識は戻ります…」
マーハ 「(レイスに)分かった」
結局予想通りの状況に腹を立てるグリン。
グリン 「……。ちッ、どうにでもしやがれ!」

○【アイキャッチ】