第5話 船旅
シーンC
○ 海賊船甲板
夕暮れ。
今までの事は無かったように海賊と船客が酒盛りをし、無事を喜び合っている。
この件の英雄となったレイン達。
グリンは女性客達に得意げに話をする。
オーフェは慣れない状況にオロオロしている。
ジェナードはグリンにどつかれている。
タケルは少し離れた高台の甲板から1人でその様子を見ている。
マーハは布やら包帯やらを持ってタケルに近付いてくる。
マーハ 「全く無茶して。体は平気?」
タケル 「人の事言えるのか?それに船酔いも慣れ…」
タケルが言いかけた所で、タケルの腕の袖を無理矢理捲るマーハ。
タケル 「イタッ、あ、あのなあ!」
打ち身、赤く腫れている。
冷たく濡れた布をあてがい包帯で固定しながら、マーハ。
マーハ 「ありがとう」
タケル 「は?」
マーハ 「…これで良し!」
グリン 「マーハ〜!」
甲板からマーハを呼ぶグリン。
呼ばれた方を振り向くと、どうやら話題にマーハが挙がったらしく女性客達に紹介しようとしている。
かなり浮かれているグリン。
マーハ 「はいはい(苦笑)」
グリンの方へ行ってしまう。
タケル 「……」
呆然と言葉を失っているタケル。
シーザー 「よう、タケル!」
足に包帯を巻いて、少々歩き辛そうに、しかし痛みを見せないシーザーがワインを両手に近付いてくる。
シーザー 「飲むか?」
タケル 「いや、いい」
シーザー 「酒は駄目か…、やっぱりガキだな」
少しむくれるタケル。
タケル 「気持ちが悪いだけだ」
シーザー 「ぷっははは(笑)本当にたいしたガキだなお前等は…」
タケル 「海賊とかいう奴等もな。こんなモンに四六時中乗っていられる」
シーザー 「残念だが俺はレインじゃない」
タケル 「!!(驚)」
シーザー 「プルシャプラのアルカード城について良くねえ噂を聞く。あそこじゃ毎晩若い女を招いた舞踏会が開かれているらしい。山程の御馳走、煌びやかなドレス、宝石。そして美しい伯爵…豪華絢爛な舞踏会。女共が世界各地から城に集まる。しかしそこへ行った女は戻ってはこないそうだ。城へ居ついたのか、おそらくは…ってな。何にしても話が上手すぎる。気を付けるんだな」
タケル 「俺達には関係ないさ」
シーザー 「そうだな、マーハにはお前が居る…か?」
その言葉に赤くなるタケル。
タケル 「そんな事じゃない!!」
シーザー 「はっははは(笑)やっぱりお子様だな、お前は!」
夕暮れに楽しそうに響く笑い声。




To be continued…
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