第8話 紅き魔術師
シーンB
○サーカス『ドラゴン・フレイム』公演
熱気に包まれたテント内。
満員の観衆。
その中に、マーハとミッフィー。
ユーリカ 「我が『ドラゴン・フレイム』サーカスへようこそ!」
ワアアアアァァァァという歓声。
拍手。
マーハ 「楽しみだね〜」
ミッフィー 「フニャン!」
2人共目を輝かせて、壇上を観ている。
ユーリカ 「まずは、双子の姉妹による華麗なる空中ブランコをご堪能下さい〜!」
舞台の両側からブランコに現れる、幼い姉妹。
ウィザーズである。
もちろんマーハ達は気付かない。
その空中ブランコの技に観衆は、ただ感嘆するのみ。
マーハ 「まだあんなに小さい子なのに…凄い…」
ミッフィー 「フニュ〜」
自分も出来るぞと言うように、自分を指差すミッフィー。
マーハ 「(微笑)フフフ…ミッフィーも出来る?」
ミッフィー 「フニャン!」
マーハ 「でもミッフィーはあんな危ない事しなくてもいいんだよ」
ミッフィー 「……」
少し驚いたようにマーハを見上げるミッフィー。
マーハはミッフィーの頭を撫でる。
マーハ 「でも、レインだから危ない事に変わりないか(苦笑)」
そんなマーハ達を確認しながら、ブランコで技を繰り広げる、ウィザーズ。
外見に似合わない妖艶な笑みを浮かべる。
壇上に下り、両側へと消えるウィザーズ。
ユーリカ 「お楽しみ頂けたでしょうか?次は我がサーカス団の看板、魔術師ヨシュアによる炎のイリュージョンです!」
舞台に現れたのは、昼マーハにチケットを手渡した不気味な仮面のピエロである。
マーハ 「あ、あの人…」
ミッフィー 「?」

マーハ 「(独り言)何だか恐い仮面…まるで血の涙を流しているみたい…」

ミッフィー 「……」
ピエロはマーハへと視線を送っている様。
ヨシュアは印を切り両手を広げると、その掌の前に2つの人魂大の炎が現れる。
観衆(ガヤ) 「オオオ〜!!」
再度、印を切ると観衆の頭上に色とりどりの炎が無数現れる。
その炎を見上げる観衆。
炎は空中をあらゆる方向へ漂い始める
マーハ 「わあぁ…」
ミッフィー 「フナァア〜」
パチンと指を鳴らすヨシュア。
同時、炎は花火のように様々な色彩を放ち弾ける。
観衆(ガヤ) 「オオオ〜!!」
拍手と歓声。
ミッフィー 「フニャン!」
マーハ 「綺麗だね〜」
舞台に現れるユーリカ。
ユーリカ 「いかがでしたか。もう一度紹介します。炎の魔術師『ヨシュア』です〜!」
ヨシュア 「……」
無言でお辞儀をするヨシュア。
ユーリカ 「あはははっ、んもう彼ってば照れ屋なんですよ〜!」
ドッと笑う観衆。
ユーリカ 「さて、そんな彼がマジックを披露してくれるそうです。今回はごらんになっている皆さんにもご協力して頂きましょう〜!」
ユーリカはどこからか取り出した水晶球をヨシュアに手渡す。
ユーリカ 「今からそのラッキーな方を占うそうです〜!」
好奇心で一杯のミッフィーと楽しそうに眺めるマーハ。
水晶球はヨシュアの掌に浮いている。
静まり返る舞台と観衆。
ユーリカ 「『銀色の髪』…」
マーハ&ミッフィー 「!」
弾かれたようにマーハを振り返るミッフィー。
ユーリカ 「『気味が悪い…』、『人間ではないんじゃない?』、『あの子とご両親、血が繋がってないんだって』…」
マーハ 「……」
次第に表情が険しくなるマーハ。
それに気付くミッフィー。
ユーリカ 「『弟さんが生まれたんですってね』、『じゃあ、もう要らないじゃない?あの子』…」
マーハ 「!!」
悲鳴を上げそうな形相で思わず立ち上がるマーハ。
そんなマーハにスポットライトが当てられる。
ユーリカ 「『白い石のペンダントを無くしてしまった』あなた!どうぞ、ステージへ〜!」
観衆(ガヤ)拍手と歓声。
我に返るマーハ。
心配そうなミッフィーのその表情。
ユーリカ 「早く、ステージへ〜!」
ミッフィー 「フニュ〜?」
マーハ 「…(ミッフィーに)大丈夫だよ。只のマジックなんだから…」
強がりのよう、顔は明らかに強張っている。
促され舞台に上がるマーハ。
ユーリカ 「御名前を教えてください?」
マーハ 「…マーハです…」
ユーリカ 「それでは勇気あるマーハさんに盛大なる拍手を〜!」
拍手と歓声。
ミッフィーは不安そうに舞台を見ている。
ユーリカ 「これからマーハさんは…」
ユーリカはヨシュアの手にある水晶を差し。
ユーリカ 「このような水晶球へと姿を変えます〜!」
舞台の後ろに人1人が入る棺のような箱が現れる。
ユーリカ 「どうぞ、この中へ」
マーハ 「……」
促され箱に入るマーハ。
ふたを閉める、その直前。
ユーリカ 「これであなたもお終いね。『導きの星』ルラ=マーハ」
マーハ 「!しまった!!」
閉まる扉。
マーハ必死に中から開けようとする。
ドンドンッ!と扉を叩く音。
ミッフィー 「フニャッ!!」
その異常な様子に気付くミッフィー。
同時、テント中を包むスモーク!
ミッフィー 「!!」