第10話 郷愁
シーンD
○舞台袖
サンドラ 「きれいな歌声じゃない?」
マホメト 「……」
やや間を置く。
マホメト、その表情。
マホメト 「…うむ」
ヨシュア 「……」
拍手・歓声を受けるマーハを横目で見ているヨシュア。

インサート・ヨシュアの回想
歌い終わった様子のユーリカ。
それを聞いていたヨシュア。
ユーリカ 「どう?」
ヨシュア 「どう…と言いますと?」
ユーリカ 「古くから伝わる乙女心を綴った歌よ…ねッ、どう想う?」
ヨシュア 「歌声はそう悪くないと思いますよ。音も外れてはいませんし…」
ユーリカ 「んもう、そういう意味で言ったんじゃないんだってば!」
ヨシュアにじゃれるユーリカ。
やれやれといった表情のヨシュア。
回想終了。

ヨシュア 「(小声)つくづく、気分を害する」
マホメト 「それはおぬしの本心か?」
ヨシュア 「ではこれもまた、彼女の魅力だと言うのですか?…バカバカしい…」
怒ったように顔を背けるヨシュア。
マホメト 「やれやれ、相変わらずじゃのう…」
アンコールを要求する歓声。
が、舞台を上手から降りてくるマーハとオーフェ。
サンドラ 「ほら、お客が呼んでるよ」
マーハ 「…うん」
オーフェ 「どうします、マーハさん?」
マーハ 「……」
何故か青ざめた顔のマーハ、その場を動こうとしない。
サンドラ 「ふう…仕方ないわね」
舞台に上がる、サンドラ。
シャンッ!…と両手首につけられた鈴が鳴る。
静まる観衆。
舞うサンドラ。
グリン&ミッフィー 「うわあ…」
その舞にみとれる観衆、レイン達。
マーハは未だに俯いている。
しばらくの間。

顔を上げるマーハ。
ヨシュアと視線が合う。
と、その場を逃げるように離れるマーハ。
ヨシュア 「……」
タケル 「!」
その様子を対側から見ていたタケルは、マーハに気付く。
タケル 「!」
マーハを追いかけるタケル。
その2人にグリン、オーフェ、ミッフィーは気付かない。
マホメト(M) 「嫌われたもんじゃの?」
ヨシュア(M) 「逃げているのですよ、過去から」
マホメト(M) 「人の事を言えるのか?」
ヨシュア(M) 「……」
無表情のヨシュア。

○ シエナの街
夜。
人気の無い通り。
一定の間隔を保ち歩く2人。
ふと歩みを止めるマーハ。
マーハ 「わたしはずるい」
タケル 「え?」
マーハ 「隠してた。本当は思い出したの…」
タケル 「記憶か…」
マーハ 「うん、気付いてた?」
タケル 「ミッフィーと会った辺りから、様子が変だったからな」
マーハ 「フフ…駄目だね、わたし」
タケル 「……」
マーハ 「わたし、焦っていたのかもしれない。父さんも母さんもわたしを愛してくれていたのに…」
ロッドのホワイトストーンを見つめるマーハ。
タケル 「……」
マーハ 「今なら、胸を張って生きていけるような気がする…」
空を見上げるマーハ、そこには銀色の月。
タケル 「そうか…」
僅かに微笑むタケル。
また同じ様に月を見上げる。




○魔王城・ヴァティスの間
四天王(ガルシアン、ダルシアンはシルエット)。
及びヴァティス神像の足元に、深いフードをかぶった男『魔王』
ルシファー 「残るレインは一人か…。しくじったな、ウィザーズ…」
ウィザーズ 「クッ」
悔しそうに顔を背ける。
ガルシアン 「次こそは俺が殺る!」
ルシファー 「どうなさいますかな?」
魔王を見上げるルシファー。
魔王 「ダルシアン…」
ダルシアン 「……」
頭をたれるダルシアンに光が照らされる。
鉄仮面、プレート・アーマーの男。
魔王 「お前が行くとよい」
その場を立ち、去ろうとするダルシアン。

魔王 「あれを使い…レインを誘き出せ」

その言葉に立ち止まるダルシアン。
ルシファー、ウィザーズの表情。
ダルシアン 「……」
応じたように間を置きその場を後にする。

To be continued…
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