第12話 叛旗翻し戦士
シーンA
○魔王城・ヴァティスの間
四天王のルシファー。
ガルシアンは鉄仮面にプレートアーマー姿の為、素顔は分からない。
垂目のウィザーズAと狐目のウィザーズB。
及びヴァティス神像の足元に、深いフードをかぶった男『魔王』
魔王 「ダルシアンは自らルラの手にかけられた」
ルシファー 「私の送りこんだバアルもまた、あのダルシアンに討たれたようです」
ウィザーズA 「所詮…裏切り者の子もまた裏切り者でしたのね〜」
ガルシアンに流し目を送るウィザーズA。
ウィザーズB 「この調子で弟も裏切るかもな?」
ガルシアン 「黙れ!兄者は、ルラに誑かされたのだ!」
ウィザーズB 「こわい、こわい」
ガルシアン 「(魔王に)是非この俺に兄者の敵討ちをお許し下さい!」
頭を垂れるガルシアン。
魔王 「よかろう…」
ガルシアン 「ハッ、必ずや兄者の汚名を晴らして参ります!」
ウィザーズA 「フフフッ、やる気ですわね〜」
ルシファー 「……」
その場を立ち、去ろうとするダルシアン。
ルシファー 「幼いお前達兄弟を拾い、ここまで育てられた王の恩を忘れるでないぞ」
ガルシアン 「貴様なんぞに言われなくても分かっている!」
広間を出て行くダルシアン。
ルシファー 「どうなさいますかな?」
魔王 「……」
一瞬の間。
魔王 「ウィザーズも行くがよい。あれももう…必要無かろう…
その言葉を解し、冷徹な笑みを浮かべるルシファーとウィザーズ。
ウィザーズ 「畏まりました」
姿を消す魔王。
ウィザーズA 「今回は少々御力添えを頂きたいですわ、ルシファー?」
ルシファー 「貴様がそのような事を言うとな…」
ウィザーズB 「禁呪『核砕陣』…あんたも知ってるだろ?」
ルシファー 「なるほど…」

○【サブタイトル】




○フランドル荒野
北に進むレイン達一行。
グリン 「後1人か…なんかドキドキするよな〜」
ミッフィー 「せやね〜、そしたら。ついにあの伝承が本物になるんやな〜」
オーフェ 「『星降る刻 虹は起つ
 虹 悪夢を打ち 全界に夢をもたらさん』ですね」
ヨシュア 「やれやれ、御気楽なものですね…」
グリン 「なんだと〜」
ヨシュア 「最後のレインは、あの魔王四天王の1人なのですよ」
グリン 「テメエに言われなくても分かってらあ!」
オーフェ 「まあまあ、グリンさん…」
なんだかんだと結局仲の悪くない4人。
その後ろからタケル、マーハ、マホメト。
無言の3人。

インサート・マーハの回想
エディンバラの宿一室。
マーハとマホメトの二人きり。
マホメト 「マーハよ、おぬしに言っておかねばならん事がある」
マーハ 「え?」
マホメト 「おぬしのその、ホワイトストーンについてじゃ」
マーハ 「?」
マホメト 「ホワイトストーンにはその持ち主、『導きの星』ルラを守る…自己防衛能のような力がある。それはおぬしにも分かっていよう?」

フラッシュバック
ビル屋上のマーハ。

マーハ 「はい…」
マホメト 「そして、『星のロッド』と一つになる事によってその力は剣技にも活かされておったのじゃ…」
マーハ 「えっ?」
ロッドを手に取り見据えるマーハ。
マーハ 「なるほど、わたしが強くなっていた訳じゃなかったんだ」
マホメト 「一概にそうとは言えぬ。だが…ここに来てホワイトストーンの力が急に弱まってきておる。…おぬしには分かるじゃろう?」
マーハ 「…うん。レインが集うたびに、どんどん…。今まで暖かい感じだったホワイトストーンが…衰えていくみたいに、冷たくなっていくような…」
マホメト 「これ以上ホワイトストーンの力を使ってはならん。もしやすると、持ち主のおぬし自身の命にも関わるやもしれん」
マーハ 「わたしの命に?」
マホメト 「ホワイトストーンが持ち主の命を媒介に力を発することもありうると言う事じゃ。いや、そもそもレインボーストーンと呼ばれるワシらの石には持ち主の潜在能力を引き出す作用が働いておるらしい」
マーハ 「みんなの石が?」
マホメト 「そう。その力に皆は気付いておらんようじゃがの…。ホワイトストーンも例外ではない」
マーハ 「ちょっと待って、でも仮にわたしの命を削って力を発することになったとしても、ホワイトストーンには自己防衛能があるって今さっき言ったじゃないか?」
マホメト 「その作用が自己防衛能に勝る場合…すなわち、おぬしの思いが強い程、危険な事になる」
マーハ 「じゃあ…ホワイトストーンの力を使うなって事?…もうこの先進む道は自分達自身で決めるしかないって事?」
マホメト 「うむ、それと…」
マーハ 「もう、ロッドを手放せって事ね?」
マホメト 「さよう」
マーハ 「……」
押し黙るマーハ。
回想終了。

マーハ 「すると…ルラはもう、足手まといにしかならない…」
マホメト 「……」
タケル 「何か言ったか?」
マーハ 「ううん。何でもない…」
タケルには聞こえていなかった様。
物思いに沈むマーハとそのマーハを見るマホメトの表情。
グリン 「おいっ、何だアレ!」
グリンの声に我に返り、一斉にその崖の頂上を見上げる一行。
そこにはダルシアンと同じ鉄仮面、プレートアーマーの男。
タケル 「あいつは!」
レイン達 「!」
一斉にそれぞれ身構える、レイン達。
マーハは無防備の状態で、鉄仮面の男を見つめる。
ゆっくりとその兜を取る男。
そこにはダルシアンとよく似た顔。
ガルシアン 「我は魔王四天王の1人『ガルシアン』。亡き兄者の仇…相手願おう…」
自分のハルバードを構え、その切っ先をマーハへと向ける。
ガルシアン 「『導きの星』ルラ=マーハ!」
一瞬流れる沈黙。
タケル 「誘いにのるなよ、マーハ!」
マーハ 「……」
オーフェ 「あなたは魔王に騙されているんです、分からないんですか?」
ミッフィー 「せや、確かにダルシアンの事は不幸やった…。でもなあ、あれはマーハが殺したわけやない!」
ガルシアン 「……」
ヨシュア 「何を言っても無駄のようですね…」
マホメト 「……」
マーハを守るような陣を敷く一行。
マーハ 「みんな、待って!」
その声に一行は振り返る。
マーハ 「ダルスはわたしが殺したようなものだ…。彼にはわたしが行く」
マホメト 「いかん、マーハ。わしの忠告を忘れたのか!」
そのマホメトの忠告を無視し、レイン達の前に立つマーハ。
マーハ 「ガルス…」
ガルシアン 「その名で俺を呼ぶな!」
崖から飛び降りつつ、ハルバードを振りかぶる。
タケル 「マーハ!」
振り下ろされるハルバードに大きく横に避けるマーハ。
マーハ 「!」
その衝撃波だけで、マーハのマントが大きく裂けている。
次々と繰り出されるハルバードによる攻撃。
マーハはかわすだけだが、衝撃波で頬や腕、足などに切り傷が増えて行く。
オーフェ 「その人に何を言っても分かりません、何故武器を取らないんですか!」
マホメト 「……」
ミッフィー 「いややもう、見てられへん!」
顔を覆うミッフィー。
次々と繰り出されるハルバードによる攻撃。
ガルシアン 「貴様が…、貴様が…!」
マーハ 「ッ!」
横腹を翳める、ガルシアンの攻撃。

ガルシアン 「貴様さえ居なければ、兄者が裏切る事は無かった…!」

大きく振りかぶり、懇親の力を込め振り下ろされるハルバード。
マーハ 「うあッ!」
大きく飛ばされ大地を転がるマーハ。
グリン 「このままじゃ、なぶり殺されちまう!」
タケル 「(マホメトに)どうにかならないのか!」
マホメト 「ロッドを使うことは…ホワイトストーンの力を使うことはならん…」
タケル 「どういう意味だ!」
マホメト 「……」
を起こすマーハにガルシアンはゆっくりと近付いてくる。
ガルシアン 「この石さえなければ…」
ガルシアン、胸からパープルストーンのペンダントを取り出す。
マーハの目の前に投げつけ。
ガルシアン 「こんな物さえなければ…俺はレインであらずに済んだのだ!」
マーハ 「……」
ヨシュア 「……」
その様子を見るマーハとヨシュアの表情。
静かに起ちあがるマーハ。
マーハ 「ガルス、あなたにダルスから預かっている物がある…」
首に下げていたロケットを静かに外す。
ガルシアン 「!」
マーハはガルシアンへそのロケットを投げる。
手に取るガルシアン。
ガルシアン 「これは…」

インサート
ロケットに映る家族の肖像。
父と乳飲み子のガルシアンを抱く幼少のダルシアン。

ダルシアンの表情。
マーハ 「あなたのお父さんはあなた達兄弟を捨てたわけじゃない。最後の戦いで死を覚悟していた。あなた達を愛していたからこそ、道連れにしたくなかったんだ!」
ガルシアン 「馬鹿げている、何を根拠にそんな事を!」
マーハ 「お父さんの心には、ダルスとガルスがいた。そのロケットが何よりの証拠でしょう!」
ガルシアン 「だが、兄者は何をした。俺が物心ついたときには既に言葉を失っていた。俺の問いかけに答える事すらなかった!『裏切り者の息子』がここに来るまでに俺1人がどれほど苦しんだか!いっそ、俺も自我を失えればどんなにか楽になれたか…!」
マーハ 「ダルスはあなたが救われる事を願っていた!」
ガルシアン 「兄者を救ったのは貴様だからと言うのか!自惚れるな!!…俺は魔王・四天王なのだ!」
?(ウィザーズB) 「その通りさ!」
その声に振り返る、マーハ、ガルシアンそしてレイン達。
空中に浮かぶ四天王ウィザーズとルシファー。
ウィザーズA 「初めまして、ルラとレインの皆様…」
ルシファー 「……」
ウィザーズ、ルシファーの背後に浮かぶ巨大な魔方陣。
マホメト 「いかん!」
ウィザーズ 「そして、さようなら」
ウィザーズとルシファーの姿は消える。
残された魔方陣から現れる巨大な光球『核砕陣』!
核砕陣が一行に迫ってくる!
ヨシュア 「師匠!」
あわてて、印を組むヨシュアとマホメト。
マホメト 「だめじゃ、間に合わん!」
マーハ 「!」
そこへ、ガルシアンと一行の前に守るように立ちふさがるマーハ。
ロッドを手にしている。
マーハ(M) 「ホワイトストーン、お願い…みんなを…!」
マーハの呼びかけに答えるようにロッドは空中に浮かぶ。
光り輝くホワイトストーン。
マーハは両腕を広げる。
マーハ(M) 「みんなを守って!」
白い光が一行を包む。
目が開けていられないような閃光!

○ 同 崖の上
レイン達から遠く離れた崖の上にもその光は届く。
ウィザーズ、ルシファー。
ウィザーズ 「何!」
ルシファー 「クッ!」
眩しがる3人。
一瞬の間。

○【アイキャッチ】