第14話 虹の神殿
シーンB
○ 森の中
森の中、シュスフィーナの案内で虹の神殿を目指す一行。
シュスフィーナを遠目で見るヨシュア、マホメトとガルシアン。
ガルシアン 「似ている…似過ぎている…」
マホメト 「…面倒な事にならねばよいが…」
ガルシアン 「面倒な事とは?」
マホメト 「…いや。…今の言葉…忘れてくれんかの」
ヨシュア&ガルシアン 「……」
一方。
オーフェ 「そうだ、さっきの歌!思い出しました!!…創世紀の神話を歌った古代語の聖歌ですよね?」
シュスフィーナ 「うん。『遥かなる昔、虚無の世界にラシューヌ神は降り立った。ラシューヌ神はその大いなる力を紅き石に炎、橙の石に地、黄の石に光、緑の石に木、碧き石に水、紫の石に風に託し、七日七晩かけライムランドを創った。最後の七日目にラシューヌ神はライムランドに命を与えた』…そして今のわたし達がいる…」
グリン 「…あれ、歌詞が変じゃねえか?」
ミッフィー 「何がや、アホエルフ?」
グリン 「その神話…オレ様が聞いたモンと少し違うぜ…」
オーフェ 「そう言えば…『藍の石に命』が抜けていますね?」
ミッフィー 「どういう事や?」
グリン 「つまりだな〜。シュスフィーナが歌ってた神話だと『ラシューヌ神が石を介してではなく、直接命を与えた』って事になってるんじゃねえか?」
シュスフィーナ 「そっちがおかしいわよ。だってレインは6人じゃない?」
グリン&オーフェ&ミッフィー 「はあ?」
ガルシアン 「!(驚)」
タケル 「レインが6人?」
シュスフィーナ 「(タケルに)うん…じゃなかった、そッそうです、少なくともわたしはそう聞いています。ルラ様だって知っている事でしょう?」
やや、悲しげに。
タケル 「俺はルラじゃない。ブルーストーンのレインだ」
シュスフィーナ 「ご、ごめんなさい…」
タケル 「謝ることじゃない」
沈黙。
タケル 「あいつがみんなを導いた…だから間違いない、ここに居る7人がレインだ」
シュスフィーナ 「あいつって誰?」
タケル 「…この世界にたった一人のルラ…。でも、今はここには居ない」
シュスフィーナ 「タケルさんは、悲しいのね」
タケル 「……」
シュスフィーナ 「大切なルラ様が居なくなってしまったから…」
タケル 「そんな風に見えるのか?」
シュスフィーナ 「タケルさんの心が悲しいんだもの。違うの?」

タケル 「だとしたら、俺もまだまだ弱い人間だな…」

○ 虹の神殿
祭壇の前に座り祈る天人の女性(フレディン)。
その背には白い羽根。
祭壇にはラシューヌ神像がある。
そこに息を弾ませ駆け込んでくる、シュスフィーナ。
シュスフィーナ 「フレディン〜〜〜ッ!!」
その嬉しそうな声に振り返り、フレディンは腰を上げる。
フレディン 「あら、フィーナ。何か楽しいことでもあったのかしら?」
シュスフィーナ 「フフフッ、フレディン。ついに来たのよ、レインが!」
その声の後、シュスフィーナの後ろより一行が入ってくる。
フレディン 「(マホメトに)お久しぶりです、マホメト老…」
グリン 「天使…御美しいおぜうさん…」
ミッフィー 「あほエルフ…天人や、天人」
グリン 「んあ、天人?」
ガルシアン 「古より、神に遣える翼を持つ者。20年前にデビルダスに滅ぼされた、天界パウルの住人だ。生き残りが居たとはな」
オーフェ 「天界パウルまでも、魔王の手によって滅ぼされていたんですか…」
フレディン 「私は当時マホメト老に救われ、難を逃れこの神殿に…」
マホメト 「うむ。そこの娘は…以前は、おらんかったのう?」
フレディン 「ええ、この子は…シュスフィーナは親を亡くし私が引き取り、育てました。この神殿の次代巫女です」
ヨシュア(M) 「聖女の末裔…生きていたのか」
オーフェ 「でも、こんな森の中にこれほど大きな神殿があるなんて…」
フレディン 「あなたはイエローストーンのレインですか?」
オーフェ 「はい、僕は神官なものですから。ついつい見入ってしまいました」
フレディン 「…どちらの方から?」
オーフェ 「ソグディアナのイリス神殿で育ちました。大司祭が僕の父です。でも、血の繋がりはありませんが…(苦笑)」
フレディン 「…そうですか…。すると、(タケル達を見て)皆様がレインなのですね…」
一行は無言で頷く。
シュスフィーナ 「ねぇ、フレディン。少し出かけてきていいかなぁ?」
フレディン 「出かけるって…森の外は駄目よ。魔将が居るのだから」
シュスフィーナ 「分かっているわよ、すぐ近く。いつものトコだってば。ねぇ、タケルさん?」
タケル 「え?」
いきなり話を振られて戸惑い顔のタケル。
シュスフィーナはタケルの手を握る。
シュスフィーナ 「一緒に行こう、わたしの秘密の場所があるの」
グリン 「オッ、いいなッ。オレ様も…」
シュスフィーナ 「だ〜〜〜めッ。二人きりの邪魔しないで!」
タケル 「なッ!」
グリン 「(軽く口笛を鳴らす)ヒュ〜〜〜、懐かれたな〜、タケル」
タケル 「からかうなよ」
グリン 「ヘイヘイ…まぁ、息抜きして来な」
シュスフィーナ 「さぁ、早く行こう!」
タケル 「おッ、おい!」
シュスフィーナに腕を引かれ、半ば引きずられるように神殿を後にして行く2人。
ミッフィー 「何や、あほエルフ。あっさり引き下がりおったな?」
グリン 「似すぎてんだよ、マーハに…。気味が悪いくらいになぁ」
ミッフィー 「せやな、生き写しや…」
オーフェ 「それは、シュスフィーナに可哀想ですよ」
ヨシュア 「さてと、アイツが居なくなったところで話を戻すか、ジジイ」
怒りがこめたグリン。
マホメト 「……」
ガルシアン 「インディゴストーンのレイン。老師、やはり彼方はレインではないと言うのか?」
ミッフィー 「冗談やろ、だってジッちゃんは…石を持ってたやんか?」
グリン 「んなもん、どうにでもなる。ロッドの光で導かれていない。そういや、ジジイだけは違う。導いたのはヨシュアだからな」
オーフェ 「何故です、どうしてレインのふりをして僕達に嘘をついて来たのですか?」
ヨシュア 「師匠は結果的に、私達をここへ導いた。それで十分ではないですか?」
ガルシアン 「ヨシュア、お前はやはり知っていたのだな?」
グリン 「ロクデナシ、どうして今まで黙ってやがった!」
ヨシュア 「マーハ亡き今、一体誰があなた方をここまで導けたと言うのですか?」
マホメト 「(強い口調で)もうよい、ヨシュア!」
静まる一行。
マホメト 「わしは伝説の時代から生き長らえた。そうじゃな、もう1000年は過ぎた」
ミッフィー 「ほんまに1000年生きとったの!?」
マホメト 「あのレジェンドの戦いを忘れはせん。だからこそ、わしは見届けなくてはならぬ。此度の最後を」
ヨシュア 「……」
フレディン 「マホメト老は私がここにくる前からこの神殿を守ってらっしゃいました。そして世界を廻り、あの伝承を正したのです」
グリン 「正確には、事実を捻じ曲げたんだな」
ヨシュア 「戦力に違いありません。レインである事と魔王を討つ志のあるものが、一致する必要はないでしょう?いい加減、師匠を認めたらどうですか?」
ミッフィー 「確かに、ジッちゃんは大した魔術師やし…」
オーフェ 「でも、マーハは常々『関係ない人々を巻き込みたくはない』と言っていました」
マホメト 「わしは当事者じゃ…」
ヨシュア 「……」
ガルシアン 「当事者とは?」
マホメト 「わしはあの時、戦いに終止符を打つ事が出来なかった責任がある。これはわしの罪なのじゃ」

○森の中・花畑



森の中に広がる一面の花畑。
その中心にタケルとシュスフィーナ。
タケル 「森の中にこんな場所があるなんて」
シュスフィーナ 「でしょ〜、とっておきの場所なんだから。座りましょ、タケルさん」
タケルの足元にちょこんと座るシュスフィーナ。
タケル 「俺の事は『タケル』でかまわない」
タケルもシュスフィーナの横に座る。
シュスフィーナ 「それなら、わたしの事も『フィーナ』って呼んで」
その言葉に、おだやかな表情を見せるタケル。
タケル 「分かったよ、フィーナにはかなわないな」
シュスフィーナ 「わたしはね、絶対タケルがルラ様だと思ったの、直感かな」
タケル 「ルラは…」
タケルは思い出したかのように、悲しみを見せる。
シュスフィーナ 「それ以上は言わなくていいの。ルラ様はどんな方だったの?」
タケル 「俺と同じ年位の…女だった」
シュスフィーナ 「ふうん」
タケル 「驚かないんだな?」
シュスフィーナ 「なんとなくそんな気もしたから。きっとみんなを包み込めるような、優しい方じゃないかって」
タケル 「そうだな。戦いには向いていない、マーハは…」
シュスフィーナ 「『マーハ』って言うのね」
タケル 「ああ。マーハと出会ったのは…」

○出会いの泉
タケルの回想
タケル(M) 「あの日、俺と幼馴染のナギはいつも通り、剣の稽古をしていた」
タケルとナギはそれぞれ、布を巻いた木刀を持っている。
布を外しながら。
タケル 「今年も優勝は頂くぜ」
ナギ 「そうはいかない。負けるもんか」
タケル&ナギ 「いくぞ!」
宙に舞う布。
木刀を交えたその時、周りに閃光が走る。
タケル 「なっ!」
ナギ 「うわっ!」
空から降りる白い光の球体に、少女のシルエット。
白い光は少女のペンダントの石(ホワイトストーン)に吸い込まれる。
少女は目を開く。
ナギ 「おっ、女の子?」
マーハ 「あなた達…誰?」
ナギ 「おっ、俺はナギ。こっちは…」
タケル 「…タケルだ…」
ナギ 「もしかして。そうか…、やったぁ…。ルラが…ついに現れたんだな!」
嬉しそうに笑うナギ。
タケル 「バッ、バカ言え!」
マーハ 「ルラなんて知らない。私はマーハ。他には何も知らない」
3人、しばし沈黙。
タケル(M) 「それから、次の日の出来事だった」

○出会いの泉
夕暮れ
マーハの表情は凍りつく。
マーハ 「村が…」
タケル 「え?」
マーハ 「村が燃えてる!」
タケル 「な!」
タケルは後ろを振り返る。
炎に包まれている村。
村の上に黒い影が無数に飛んでいる。
黒い影の正体である魔将がズームアップされる。
タケル 「魔将!」
回想終了

○森の中・花畑
タケル 「村が滅ぼされたのは、あっという間だった。逃げ出してくる事しか出来なかった」
シュスフィーナ 「…つらかったね」
タケル 「辛いのは俺だけじゃないさ。他のレインだってみんな同じような思いをしている」
シュスフィーナ 「それから、どんな旅をしてきたの?大変だった??」
タケル 「流れ着いた街で、グリンに会った」

○グリーン・ウッド(以下GW)アジト・地下室
タケルの回想
タケル(M) 「あいつとの出会いは最悪だったな」
2人は後ろ手に縛られて、足枷を付けられている。
タケル 「うッ…」
マーハ 「気が付いた?」
タケル 「ここは…。そうだ、ナギは!」
マーハ 「相手を間違えたね」
タケル 「?」
グリン 「そういうこった」
フードを取る。
緑色の髪、とがった耳。
その後ろにジュウジュ、ペンソ。
タケル&マーハ 「!(驚)」
グリン 「オレ様たちゃ、盗賊でな…」
グリン、ナイフをタケルの首へ。
タケル 「くッ」
グリン 「シャドウが!」
タケル 「シャドウ?」
回想終了

○森の中・花畑
タケル 「殴られた上に、魔将に間違えられたんだ」
シュスフィーナ 「アハハハ(笑)…本当?」
タケル 「ああ、疑いは晴れたけどな。でもあいつは、オーフェに会った時にも…」

○メンフィスの街
タケルの回想。
息を切らす2人。
金髪の美女(オーフェ) 「あ、あの…」
グリン 「けッ、飛んでもねえ野郎がいるもんだ。ところでおぜうさん…」
美女の手を取るグリン。
その顔は真剣?
グリン 「このオレ様とお茶でもいかがです?」
金髪の美女(オーフェ) 「ああ…。やはりあの方はレインではないのですね…。僕は一体どうしたらいいんでしょう…?」
驚くグリン。
グリン 「『ボク』って…げッ、テメエ、男か!!」
オーフェ 「よく間違われます。旅の神官でオーフェと言う者です」
丁寧にお辞儀をするオーフェ。
グリン 「ちゃ〜ッ!このオレ様とした事が…!!…ついてねえよな、トホホ…」
回想終了

○森の中・花畑
タケル 「オーフェを女と間違えてた。オーフェも見かけがああだからな」
シュスフィーナ 「ふ〜〜〜ん。グリンって面白い人ね」
タケル 「あれで結構いいところもある。いや、でもミッフィーに会った時も同じような感じたったな」
シュスフィーナ 「ミッフィーってあの、獣人の子?」
タケル 「ああ、あいつは聖獣なんだ。精霊を召喚出来る」
シュスフィーナ 「わたしよりちっちゃいのに、凄いのね」
タケル 「そんな事を言うとあいつが怒るぞ、怒らすと手がつけられないからな」
シュスフィーナ 「ええッ!?」
タケル 「魔将に操られたヨシュアと対等にやりあったんだからな」

○ サーカス『ドラゴン・フレイム』テント前
タケルの回想。
ヨシュア 「!!」
瞬時に横切る影。
気付くとヨシュアの手に在ったマーハの水晶球は無くなっている。
ユーリカ 「何!」
ミッフィー 「あかん、あかん。危機一髪や…」
声がする方に顔を上げるユーリカ&ヨシュア。
テントの頂上に立つ小さな人影…ミッフィーである。
その手にはマーハの水晶球が握られている。
ミッフィー 「たいした真似してくれたわな〜色男」
ヨシュア 「……」
ユーリカ 「ふうん、レインね…まだ子供じゃないの〜?」
ブチッ!…と切れたようなミッフィー。
ミッフィー 「ちっちゃいからて、舐めたらあかんで」
開いた右手で印を切るミッフィー。
ミッフィー 「聖獣『ミッフィー』の名に於いて命ずる…出でよ『サラマンダー』!」
第三の瞳から現れる巨大な炎のトカゲ。
口から吐き出される炎のブレス。
ユーリカ 「キャッ!」
ヨシュア 「『ウォール』…」
ミッフィー 「!!」
ヨシュアとユーリカの前に立ちふさがる炎の壁。
ブレスはその壁に吸い込まれる。
炎はテントに燃え移り始める。
紅く照りかえる、ミッフィー、ヨシュア、ユーリカ。
その表情。
ミッフィー 「詠唱も無しに…そいだけ、高レベルっちゅう事か。ほんま、たいした魔術師や…」
ユーリカ 「フフフ…殺しておしまい、ヨシュア!」
ヨシュアから離れるユーリカ。
ヨシュア 「『ファイアボール』…」
ヨシュアの手から放たれる、無数の炎の玉。
爆発と襲撃!
回想終了

○森の中・花畑
シュスフィーナ 「ミッフィーもヨシュアも凄い魔法使いなのね」
タケル 「でも、魔術師のレベルはやはりマホメトが一番上だろうな」
シュスフィーナ 「マホメト…『不死なる賢者』ね」
タケル 「よく知っているな」
シュスフィーナ 「フレディンから、この神殿を建てたのはマホメト様だって聞いたわ」
タケル 「水晶玉に変えられたマーハを助けてくれた」

○ 虹の神殿
グリン 「マーハを助けたのは、ジジイだ」
マホメト 「……」
思いに耽るマホメト。
その表情。
オーフェ 「グリンさん…」
グリン 「オレ様はな…、今まで騙してた事については、正直腹が立ってる!」
ヨシュア 「ですから…」
ヨシュアの言葉を遮る様に強い口調のグリン。
グリン 「マーハを信じてるタケルの気も考えてだな…黙ってやる!!」
ミッフィー 「あほエルフ…」
グリン 「『あほ』は余計だ!」
マホメト 「ありがたい…グリン」
グリン 「明日は決戦なんだからな、先に休ませてもらうぜ」
その場を去るグリン。
オーフェ 「待って下さい、グリンさん!」
ミッフィー 「ったく、素直やないあほエルフやな!」
グリンについて神殿の奥に去っていくオーフェとミッフィー。
その場にはマホメト、ヨシュア、ガルシアンが残される。
ヨシュア 「……」
なにやら不満そうなヨシュア。
ガルシアン 「ヨシュア…、それに老師」
ヨシュア&マホメト 「……」
その声に振り返るヨシュアとマホメト。
ガルシアン 「皆タケルと同じだ。マーハを信じている」

○フランドル荒野
ガルシアンとタケルの回想。
放心状態で見ていたガルシアン。
ガルシアン 「(呟)首の付け根だ…」
タケル 「何だって!」
ガルシアン 「あの双頭はいわばダミーだ。奴の中枢はその双頭の首の付け根にある」
タケル 「ガルシアン…」
ガルシアン 「ルラか…」
ガルシアン、手にあるパープルストーンを握り締める。
横たわって気を失っているマーハを見るガルシアン。
ガルシアン 「俺は全てに裏切られた…しかし、これが最後だ…」
ハルバードを構えるガルシアン。
ガルシアン 「最後にルラを…信じてみるのもいいだろう」
他レイン達 「!」
一行に笑顔。
レイン其々の表情。
マホメト 「わし等が周囲の魔将共の動きを封じよう!」
ヨシュア 「その隙に(タケル、グリン、ガルシアンに)あなた方がウィザーズを!」
オーフェ 「守りの援護は任せてください!」
ミッフィー 「ウチがウィザーズの注意を引く!」
タケル、グリン、ガルシアン頷く。
グリン 「右はオレ様」
ガルシアン 「ならば、俺は左だ」
グリン 「頼んだぜ、タケル!」
タケル 「ああ!」
飛び出す3人。
マホメト 「『アイススマッシュ』!」
ヨシュア 「『エクスプロード』!」
二人から繰り広げられる魔法。
周囲の魔将の群れを包み込む!
ミッフィー 「行ッけえ〜『シルフ』『グノーシス』!」
一度に2体召喚される精霊。
魔将を包む炎、氷、岩石の嵐!
その背後から飛ぶタケル、グリン、ガルシアンの3人。
オーフェ 「主ラシューヌ神イリス、この者達に神のご加護を…『ゴッド・ブレス』!」
その3人の体が光を帯びる。
ヒュドラ 「『ディヴィザム』!」
黒いカマイタチ!
しかし、その魔法はオーフェの神聖魔法にかき消される。
ヒュドラ 「ナニイイイイィィィィ!」
グリン 「オリャアアアアッ!」
ガルシアン 「ハアアアアッ!」
双方の首に斬りかかる二人。
そして最後にタケル。
タケル 「これで終わりだああああッ!」
首の付け根に剣を立てる。
ヒュドラ 「グ……」
タケルのその切口から起こる閃光。
ヒュドラ 「バカナアアアアァァァァッ(絶叫)!!」
ヒュドラの巨体は黒く光り、ボロボロと崩れて行く。
着地するタケル、グリン、ガルシアン。
一行 「!」
同時に周囲にいた魔将の魔晶石が光り、魔将も灰となってゆく。
やや間。
回想終了

○森の中・花畑
タケル 「…そうしてレインは全員そろった。長いようで短い旅だったような気がする」
シュスフィーナ 「そう…」
思いに耽るタケルとシュスフィーナ。
その表情。
シュスフィーナ 「魔王を倒したら、タケルはどうするの?」
タケル 「え?…ああ、そこまで考えてなかったな。俺にはもう、何も残っていないから…村にでも帰るか…」
シュスフィーナ 「それじゃ、私も連れてってよ!」
タケル 「なッ!本当に何もない廃墟なんだぞ!!」
タケルに身を寄せるシュスフィーナ。
興味と想いを込めた眼でタケルを見つめる。
シュスフィーナ 「タケルが育った場所を見てみたい。わたし、ずっとこの森から出た事がないんだもん」
タケル 「そうか…」
シュスフィーナ 「魔王を倒したら、魔将が居なくなって平和な世界になるんでしょう?だったら、外に出てもいいじゃない??」
タケル 「フィーナはこの神殿の次期巫女じゃないか?」
シュスフィーナ 「フレディンが居るじゃない。外の事何も知らないで巫女になるのはイヤ!それよりも、タケルと旅がしたいの!!」
タケル 「俺とか?」
シュスフィーナ 「わたし、タケルと一緒に世界を廻りたい…」
タケル 「しようがないな…」
苦笑いのタケル。
そんなタケルの目の前にシュスフィーナは小指を出す。
シュスフィーナ 「約束よ、タケル」
タケル 「……」
わずかに微笑み、タケルはシュスフィーナの小指に自分の小指を絡める。
タケル 「ああ、約束だ」

○【アイキャッチ】