第16話 新世界
シーンB
光が失せるとそこには、呆然としたレイン達。
グリン 「アタタタッ…」
周囲を見まわすレイン達。
タケル 「こ、ここは…」
シュスフィーナ 「タケルッ!!」
あまりの嬉しさに、タケルに抱きつくシュスフィーナ。
タケル 「うわぁ!」
その勢いに押されて腰を着く。
シュスフィーナ 「タケル〜〜〜、本当にタケルなのね!」
赤面するタケル。
タケルの顔のすぐ近くにシュスフィーナの顔。
タケル 「お、お前は…ま、まさか?」
マーハにあまりによく似た少女に驚く。
シュスフィーナ 「んもう、フィーナよ、シュ・ス・フィーナ。まあ、無理ないわよね。5年間もずっと眠っていたんだもん」
タケル 「フィーナ…なのか?」
グリン 「5年間だってぇ〜〜〜!!」
ミッフィー 「そや、5年間や」
一行はその声の女性に顔を向ける。
成長したミッフィーの姿。
グリン 「お前、ミッ…ミッフィー!!」
ミッフィー 「久しゅう、みんな」
オーフェ 「うわあ、か、変わりましたね…」
グリン 「う…」
ミッフィー 「へへ〜ん、もうガキやあらへんで」
嘗める様にミッフィーを見るグリン。
グリン 「…出るトコでてまぁ、なんというか…」
ミッフィー 「この、すけべエルフ!!」
グリンを蹴り飛ばすミッフィー。
グリン 「ってぇ〜〜〜、かわらねえ、中身は全然かわらねえ!」
ミッフィー 「そおいう、おまんこそち〜〜〜っとも成長しとらんわ!」
オーフェ 「もう、いい加減にしてくださいよ2人共〜〜〜」
ヨシュア 「5年間か…ずいぶんと時間を無駄にしてしまった」
ガルシアン 「ヨシュア…」
ヨシュア 「せっかく、師匠が作っていただいた時間を…」
ガルシアン 「そうだ、(ミッフィーに)マホメト…いや、アクスタインは。無事なのか?」
ミッフィー 「じっちゃんは、消息がつかめんのや」
ヨシュア 「おそらくは…」
思いつめたヨシュアの声に一行は耳を傾ける。
ヨシュア 「ヴァティスと刺し違えたとしか…」
タケル 「『違う』」
ヨシュア 「タケル?」
タケル 「いや、違う…俺の言葉じゃない。頭に言葉が直接響いてくるんだ。これは?」
ミッフィー 「(マルスを見て)マルス…」
ミッフィーの視線の方向にいる、フードの男。
タケル 「マルス?」
シュスフィーナ 「この人がみんなの氷結を解いてくれたのよ」
ミッフィー 「『マホメトもまた…眠りについている』んやな…」
フレディン 「5年前、デストニアでの青い光は『Blue Seal』だと思います」
ヨシュア 「『Blue Seal』?」
フレディン 「ブルーストーンのレインの力による封印です。しかし、その術者の身をも引き換えになると聞いた事があります」
ガルシアン 「ならばアクスタインも俺達と同様、なんらかの戒めを受けているのか…」
タケル 「マルス、ありがとう。おかげで俺達はまた、戦う事が出来る」
マルス 「……」
マルス、その表情はどこか悲しげである。
タケル 「とにかく、まずはマホメトを探そう」
ミッフィー 「…『その必要は無い』やて…マルスが…」
タケル 「どういう事なんだ?」
ミッフィー 「じっちゃんの封印はマルスが解いてくれる。それよりも、ウチ等はやらなあかん事がある」
ガルシアン 「やらねばならない事とは?」
ミッフィー 「レインの真の力を手に入れるんや」
オーフェ 「レインの真の力…ですか?」
ミッフィー 「せや、ウチ等がデビルダスとの戦いで発動させたあの力や」

フラッシュバック・15話
デビルダスの前、一行を守るように立ちふさがるマーハの幻像。

グリン 「あの時は…確かにマーハが俺達を助けてくれた。今度からはテメエでその力をモノにしなきゃならねえのか」
タケル 「マーハ…」
マルス 「……」
思いに沈むタケルの表情を、横目で心配するシュスフィーナ。
話題を変えるように。
シュスフィーナ 「…でも、どうすればその力を手に出来るの?」
フレディン 「もしや、聖歌に歌われていた…六元の力でしょうか?」
ヨシュア 「紅き石は火の力」
ミッフィー 「橙の石は地の力」
オーフェ 「黄の石は光の力」
グリン 「緑の石は木の力」
タケル 「青き石は水の力」
ガルシアン 「紫の石は風の力」
ミッフィー 「その力は、レインボーストーンの原石『オウル』として六大陸に存在する…らしいわ」
タケル 「六大陸?」
ミッフィー 「せや、少なくともサンタマリア、ファンジーム、シャヌーン、ライム、デストニアにはあったらしいで。後の一つは…アルティマかいなぁ?」
グリン 「んだとしたら、とっとと出発しようぜ。ヴァティスだっていつ目覚めるか分からねえからな」
シュスフィーナ 「わたしも行くわ!」
突如響くシュスフィーナの言葉。
信じられないその内容に一行は振り返る。
タケル 「フィーナ…」
シュスフィーナ 「約束じゃない、タケル。ここに帰ってきたら、タケルの故郷を見せてくれるって」
ミッフィー 「なに言っとるんや、外は魔将だらけなんやで。5年前の比にならへん。フィーナは知らんから…。ライムランドには今八人もの魔王がおる。人々を絶望と恐怖の淵へ誘う、魔王の支配。あれからどんだけの命が奪われたか…」
ガルシアン 「俺達は浅はかだった。5年前の俺達は一体どれだけの事をしたと言うのだ。結局の所、魔界神ヴァティスの復活を防ぐ事すら出来なかったのだからな」
ヨシュア 「シュスフィーナは…」
重く口を開くヨシュア。
フレディンに。
ヨシュア 「聖女の血を引く者ですね?」
フレディン 「はい、この子は聖女の末裔」
タケル 「聖女?」
シュスフィーナ 「……」
フレディン 「神の声を聞く、聖巫女。何らか御役に立てるやも知れません」
ガルシアン 「そうか、するとシュスフィーナは…」
オーフェ 「サンタマリアの…」
ヨシュア 「ガルシアン、オーフェ…」
黙っていてくれとでも言うようなヨシュアの表情。
ガルシアン 「……」
シュスフィーナ 「きっとお手伝いできるわ。わたしね、クロスボウだけじゃなくて、神聖魔法も使えるのよ」
グリン 「でもな、かわいいおぜうさんを危険な目に合わすわけにはいかねえのよ」
シュスフィーナ 「あら、ミッフィーだって女の人じゃない」
グリン 「こいつは特別。オトコ女だからな」
ミッフィーはグリンをグーで殴る。
グリン 「っつ〜〜〜」
頭を抱えるグリン。
ヨシュア 「聖女の末裔はいずれ必要になります」
ガルシアン 「ヨシュア?」
ヨシュアのその言葉に耳を傾ける一行。
フレディン 「そうです。いずれ皆様は、ラシューヌ神の御加護を必要とします」
ヨシュア 「その時まで…タケル。あなたがシュスフィーナを守ればいい」
タケル 「フィーナを…俺が…守る…」
シュスフィーナ 「ヨシュアさん」
グリン 「ロクデナシ…テメエ…」
オーフェ 「でも、マーハさんは常々『関係ない人々を巻き込みたくはない』と言っていました」
タケル 「マーハ…」
シュスフィーナ 「また…『マーハ』なのね…」
タケル 「……」
シュスフィーナ、今度は不満ではなく、涙を浮かべ悲しそうな表情を見せる。
タケル、その表情。
マルス、その表情。
一行に背を向け神殿を後にしようとする。
ミッフィー 「マルス!」
マルス 「……」
足を止めるマルス、しかし振り返らない。

シュスフィーナ(M) 「『タケルを…頼む』?」

ミッフィー 「ウチ等はオウルを手に入れる。せやから、じっちゃんの事は任せたで」
マルス 「……」
森の中へと消えて行くマルス。

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