第17話 永遠の命
シーンB
○ アマルナの最深部
ベナレスとルシファーは魔法で遠見を行っている。
映し出されるレインたち一行。
ルシファー 「まさかこのまま、デデムの手駒で終わるわけではあるまい?」
ベナレス 「おんしには関係ない。あの時の聖獣をやれんかった、わしの責任を取るまで」
ルシファー 「それから、イリスは?」
ベナレス 「あの小娘を生かして捕らえればええんだろう?…天主に従う。造作もないこと」
姿を消す、ベナレス。
ルシファー(M) 「レインの記憶再生はない。むしろヴァティス神に忠義を誓う姿は、他の魔王も見習うべきか…(苦笑)」
ルシファーは映し出されるシュスフィーナに、注目する。
ルシファー(M) 「あの娘が、イリスか…」
その表情。

○地下の抜け道
驚きのミッフィー。
ミッフィー 「ベナレスやて!」
グリン 「なんだ、知ってんのか?」

フラッシュバック・15話
第3の瞳を持つ30代前半くらいの若い男。
ベナレス 「わしは魔王ベナレス。同族に遭えた所で残念やが、おんしも封じなならん」

ミッフィー 「あの男は生きてよる。よりにもよって、魔王としてや」
タケル 「魔王だって?」
ミッフィー 「5年前、皆を氷結したヤツや!」
グリン 「変だな、だったら、なんでオレンジストーンはミッフィーが持ってるんだ?」
オーフェ 「それは、レインの資格を放棄したとか?」
ヨシュア 「レインの資格を放棄するという事が出来るのでしょうか?」
ガルシアン 「出来るのなら、俺はとうにやっている。それは出来ない。レインはその死によって、次代へ継承されるのだからな」
シュスフィーナ 「じゃあ、タケルはどうなるの?」
タケル 「!(驚)」
シュスフィーナ 「だって、先代のブルーストーンのレイン『アクスタイン』は生きていたんでしょ?」
タケル 「な、俺は?」
グリン 「そのブルーストーンもオレンジストーンも本物だし、タケルはブルーストーンのレイン、ミッフィーはオレンジストーンのレインだ。6人で発動させた『Rainbow Strike』…忘れたのか?」

フラッシュバック・15話
一行は頷き神妙な顔で印を組む。
ヨシュア 「arari imi hito niraka」
ミッフィー 「nouto imi nito niraka」
オーフェ 「rito imi nirakito niraka」
グリン 「sigokito imi rito niraka」
タケル 「aori imi sibuto niraka」
ガルシアン 「aito imi rabeto niraka」
現れる六星の魔方陣。
マーハの幻像 「koldeyo to niraka yu sotzne
 alsu yu setzamayo
 Rainbow Strike」

ミッフィー 「あ〜〜〜〜、もう!訳が分からん!!」
タケル 「俺は…?」
?(デデム) 「答えは簡単じゃ、あの男『ベナレス』は死んでおる」

○ラボラトリィ
暗かった周囲が一斉に照らされる。
広い空間にゴチャゴチャとした数々の機械。
巨大な試験管のようなガラスの中には気味の悪い液体の中に様々な動物が浮いている。
宙に浮くゴブリンに似た小さな白衣の老人デデム。
その左右に同様に宙に浮くグリーンストーンとオレンジストーンのオウル。
グリン 「オウルだ!」
ダヴァン 「お前が…お前がデデムなのか!」
一斉に構える一行。
デデム 「なあ、貴様はあの時から何も変わらないではないか、ダヴァン?知っていたのだな、あの1種が不老不死の秘薬であることを!!」
ダヴァン 「違う、あれは偶然だ!」
デデム 「貴様は不老不死を手にし、ワシの肉体は朽ち果てていく!!…だが、ワシは手に入れた」
白衣を脱ぐデデム。
機械の肉体。
デデム 「このコンピニアの肉体は不老不死をワシに与えてくれた」
ミッフィー 「化けモンや、そんなの。…エルフやあらへん!」
デデム 「そうじゃよ、ワシをエルフなどと一緒にするでない」
地に下りる、デデム。
恐れと驚愕の表情でデデムに問いただすダヴァン。
ダヴァン 「レインを手に懸けたのか?」
飄々と肩をすくめるデデム。
デデム 「ヤツが勝手に死におったから、ワシが再び命を与えてやったんじゃ。むしろ感謝されるべきじゃないかの?」
ミッフィー 「アンデッドか!」
グリン 「なんてヤツだ…」
デデム 「のう、ダヴァンよ。これが最後の機会だ。ワシと組まぬか?ワシと組みコンピニア帝国の再興を!!」
レイン達は一斉にダヴァンの方を振り返る。
ダヴァン、その表情。
目を閉じる。

ダヴァンの回想
炎上するシャヌーン大陸。
その様子を対岸で見つめるダヴァンとドギ。
ドギの腕には赤ん坊のミッフィー。
何が起こっているのか分からずキョトンとしている。
ドギ 「システムAの暴走か…」
ダヴァン 「クッ!」
ダヴァンはがくりとひざを落とす。
ダヴァン 「たった45年だ。この文明は。多くの生命を奪い、果てにはレインを裏切ってこの結果だ!!」
ドギ 「……」
ダヴァン 「結局、コンピニアなど過ちだ。在ってはならぬ物なのだ!」
ドギ 「そいつはどうかなあ?」
ドギは金属の箱のスイッチを押す。
ビックリ箱。
ミッフィー(赤子) 「キャッキャッ(笑)」
赤ん坊のミッフィーは喜んで手を叩く。
ドギ 「ダヴァンは全てを否定するが、俺はなぁ〜、この文明が人に災いばかりをもたらすものとは思わんよ。ほりゃ、実際この手品マシーンには人に笑いをもたらしてくれるだろ?…だから、俺はこの文明を人の役に立てたいんだ」
ドギは腕に抱えたミッフィーをダヴァンに預ける。
ドギ 「ようは使いようって言うからな」
にっこりと笑い、その場を去ろうとするドギ。
ダヴァン 「ドギ…」
ドギ 「その名前を俺は捨てよう。名を変え、人の中で罪滅ぼしを考えながら、余生を送るさ」
背を向けたままバイバイと手を振るドギ。
回想終了。

ダヴァン(M) 「私はここまでのようだ、ドギ…」

ダヴァン 「断る!」
デデムはその答えに怒りを露わにし、再び宙に浮く。
デデム 「何故だ、貴様の着想とドギの設計があれば我等は神にもなれるのだぞ!!」
ダヴァン 「私は神になるつもりはない!」
ミッフィー 「さっきから、ずいぶん偉そうな口利きおるけど。それじゃあんさんには何があるんや!」
デデム 「ワシか…そうだ、そうだ…ワシには野心だ…他の三博士にはないこの野心で魔王にまで上り詰めたのだ!」
ダヴァン 「狂っている…」

デデム 「フハハハハッッッッ…コンピニアを以ってワシは神に等しき力を手にする!」

グリン 「テメエ〜〜〜ッ!」
デデムに切りかかるグリン。
その刃は宙を切る。
機械により映し出された幻影が消える。
オウルもまた消滅する。
グリン 「何!」
デデムの声 「残念じゃ、非常に残念じゃよ、ダヴァン。このラボラトリィごと死んでもらおう」
ラボラトリィに響き渡るアラーム。
部屋が赤く点滅し、扉の壁が一斉に閉められる。
オーフェ 「ああ、逃げ道も閉ざされてしまいました!」
ガルシアン 「ヨシュア、『テレポート』は使えないか?」
ヨシュア 「この空間に巨大な魔力の結界が張られています。『テレポート』程の術は使えません!」
ミッフィー 「やっぱり、罠やったんやな…」
グリン 「くっそぉ〜、こんなところで犬死かよ!」
グリン腹立たしく、鉄の扉に拳を打つ。
ミッフィー 「どうにかならへんの!?」
ダヴァンはおもむろにあるマシンに近付く。
ダヴァン 「これだ!」
近くの金属の棒でガラスの蓋を破り、スイッチを押す。
ブウウウウンンッッッッ……と起動音を立てる、巨大なカプセル?
ヨシュア 「何です、これは?」
ダヴァン 「『移動の扉』…システムG『Gate』の初期型。扉間での瞬間移動を可能とします」
ガルシアン 「では、これでラボラトリィの外へ脱出出来るのだな!」
ダヴァン 「ええ、早く!皆さんカプセルの中に!!」
ダヴァンがなにやら盤面を操作しスイッチを押すと、カプセルの入り口が開く。
それと、殆ど同時に噴出孔からスモーク!
オーフェ 「いけない、これは毒ガスです!」
レインたちは次々とカプセルに入る。
タケルは手のブルーストーンを見つめ呆然としている。
シュスフィーナ 「タケル、早く!」
タケル 「……」
シュスフィーナ 「タケル?」
グリン 「バカヤロウ!!」
グリンはタケルの手を引っ張りカプセルへ。
一人カプセルの外に残るダヴァン。
ダヴァンはレバーを倒す。