第18話 遺志継ぐ子
シーンB
○ ラーの森
グリンとミッフィーは森の中を走る。
ミッフィー 「他のみんな、どないしてるんやろ…」
グリン 「オレ様の感が正しければ、あのシステムGはデデムの罠だ」
ミッフィー 「何やて!んじゃ、なしてウチとおまんは別に飛ばされたんよ?」
グリン 「オウルに近付けない為だ。野郎は、オレ達2人の…2つのオウルを持ってるわけだからな」
ミッフィー 「ほいなら、みんなヤツに何されてるか!」
グリン 「少なくても、生かしちゃいるだろ」
ミッフィー 「……」
走りながら、グリンの表情を伺うミッフィー。
ミッフィー 「なあ、母ちゃんってどないな感じなん?」
グリン 「ん〜、いつも『バカ息子』って頭殴られてたよ〜な…」
ミッフィー 「そか…だから、おまんはアホなんやな」
グリン 「んだと〜!」
ミッフィー 「でも、ええな」
グリン 「……」
ミッフィー 「ウチは一人ぼっちや」
立ち止まる、グリン。
つられ立ち止まる、ミッフィー。

グリンの回想。
ベッドの上で夢に魘されるミッフィー。
ミッフィー 「ウチを一人にしないで…一人は嫌や…」
回想終了。

グリン 「テメエは一人じゃないだろ?」
ミッフィー 「?」

グリン 「まだ、このオレ様が居るじゃねえか!」

胸を叩くグリン。
ミッフィー微笑し、瞳を閉じる。
ミッフィー 「なんや、居ないよりましって事か」
グリン 「相変わらず口が悪りいな…(苦笑)」
ミッフィー(M) 「5年前のアン時とは違う。一人やない」
眼前に立つ、アマルナの廃墟。

○ アマルナの最深部
ベナレスは魔法で遠見を行っている。
映し出されるグリンとミッフィー。

フラッシュバック
デデムのバグズ達を前に傷つき倒れる、ベナレスとフォレスタ。

ベナレスは瞳を閉じる。

フラッシュバック
フォレスタを庇うベナレス。
ベナレス 「さいなら、フォレスタ!はよ逃げ、そして長生きせい」
フォレスタ 「ベナレス!」

ベナレス 「たとえワイが不老不死やろうとも、これでお終いや!出でよ『エント』!!」

影絵、エントの枝がベナレスを貫く。
フォレスタ 「ベナレ〜〜〜〜〜〜スッッッ!!」
フラッシュ。

瞳を静かに、開くベナレス。
遠見は消える。
ベナレス 「来たな…」
近付いてくる足音。
グリンとミッフィー走り立ち止まる。
それぞれに構える2人。
ミッフィー 「ベナレス!」
グリン 「へえ〜、あんたがベナちゃんか!」
ベナレス 「!」
その言葉に明らかに動揺するベナレス。
ベナレス 「何時ぞやの同族。それに…」
グリンと視線が合うベナレス。
ベナレス 「おんしがグリーンストーンのレインか…」
グリン 「あんたは、オレの親父の親友なんだろ?」
ベナレス 「……」
ミッフィー 「無理やで、コイツはアンデッド。死ぬ前の記憶は無いはずや!」
ベナレス 「わしは魔王・ベナレス。天主・ヴァティス神に従い…おんし等を封じる」
ミッフィー 「あかん!」
ベナレス 「聖獣ベナレスの名に於いて命ずる。出でよ『フェンリル』!」
第3の瞳より放たれる巨大な水蛇。
グリン 「やべえ!」
襲い掛かる巨大な雹。
グリンはミッフィーを庇い大きく跳び、避ける。
その一つがグリンの腕を掠める。
グリン 「つッ!」
ミッフィー 「グリン!」
グリンを気遣うミッフィー。
グリン 「おっ、初めてじゃねえか。名前で呼んだの?」
紅くなるミッフィー。
ミッフィー 「アホ!」
ミッフィーは静かに立つ。
ミッフィー 「ウチかて、只5年間旅してたわけやない。見せたる…」
ベナレス 「……」
ミッフィー 「聖獣ミッフィーの名に於いて命ずる。出でよ『エフリート』!」
第3の瞳より放たれる赤き巨人が炎を吐く。
苦しむフェンリル。
ベナレス 「上位精霊を使うようになったか。だが、これでどうか…『ジン』!」
ミッフィー 「まさか、上位精霊を一度に2体も…!」
グリン 「逃げろ、ミッフィー!!」
第3の瞳より放たれる紫の巨人がかまいたちを起こす。
?(マルス) 「『Starry Field』!」
光の膜がミッフィーを包み、竜巻から守る。
ミッフィー 「マルス!」
グリンとミッフィーの背後から現れる、マルス。
右手は血に濡れている。
マルス 「……」
マルス、その表情。
グリン 「先に行く。頼んだぜ、マルス!いくぞ、ミッフィー!!」
ミッフィー 「ちょ、ちょっとグリン!」
ベナレス 「させん、『ジン』!」
ジンが走り奥へ向かう、グリンとミッフィーの背後を襲おうとするが。
マルスは右手をジンに翳す。
マルス 「『Asterisk…』」
その言葉と共に、右手より流れ出す血が六星の魔法陣を空中に描く。
マルス 「『rashyto ni yu sotzne alsu yu mykibore
Starry Heavens』」
魔方陣から熾る星屑が、ジンをかき消す。
ベナレス 「何!」
マルス 「……」
ベナレス 「やるな…」
?(ルシファー) 「ここで時間をつぶしている場合ではなかろう?」
マルス 「!」
宙に現れるルシファー。
ルシファー 「あれを追わなくていいのか、こやつの相手は俺がしよう」
ベナレス 「…監視のつもりか?」
ルシファー 「……」
ベナレス 「……『シルフ』!」
現れる巨大な鳥に包まれ、一陣の風が吹き、ベナレスは姿を消す。
地に下りるルシファー。
ルシファー 「マルス…と言ったな?」
マルス 「……」
ルシファー 「古代神聖語による魔法、またの名を神の奇跡とも言う。それを成すのは神に近しき聖人のみ。だが、それも諸刃の刃のようだな…」
ルシファーはマルスの右手に視線を移す。
ルシファー 「術を使う毎に、己が血を使い、命を削る。いずれ血は尽き…死ぬぞ…?」
マルス 「…それが何だと…」
自嘲気味に、右手を構えるマルス。
(普通に会話している)
マルス 「わたしの命はレインの為にある。たとえみんなにわたしの記憶がなくとも、守ってみせる!」
ルシファー 「!」
ルシファー、マルスその表情。
マルスのその瞳。
ルシファー 「まさか、貴様は…そうか、そうか…ククククッ…ハハハハッ!」
歓喜に笑うルシファー。
ルシファー 「ここで貴様を殺すのは惜しい。ふさわしき場を設けよう。また逢うのを楽しみにしているぞ、マルス!」
ルシファーは姿を消す。
マルス 「……」
マルスは構えを解く。