3人組はその店に入った。仲間の1人の兄がここに勤めているという。その彼を頼ってこの街にやって来たのだ。以前、シャヌーン最大の街『メンフィス』で、レインとして崇められた3人。ダジリン・セイロン・アッサムの3人。その嘘はすっかりばれ、それまでし放題だった彼らは、街から袋叩きに合い、こうして放浪の旅を続けている。
「この間の村でもバレてもうたな〜、もう限界とちゃうか?」
疲れた顔でアッサムはぼやいた。
そう、3人は気づいていないのだが彼らの旅路は寸分違わず、タケル達一行の後を追っているのだ。タケル達の通り過ぎた町で、自然と噂は流れるのだから。見破られて当然。
「うるせえ、今度こそだ。この街で一花咲かすぜ。まずはこの店で、かわいこちゃんをいっぱい侍らせて…ムフフ〜」
「既に死語ね、それ」
セイロンは呆れて、ダジリンを見た。セイロン…彼もまたオカマ。セイロンは悪戯っぽく微笑む。
「お兄様がいっぱ〜い、可愛い子紹介してくれるわよ」
ウインクして見せた。どこかで見たウインクだ、恐い。
「あ〜〜〜〜ん、セイロ〜〜〜〜ン!」
「あ、お兄様〜〜〜〜!」
バタバタと忙しない足音とガチャガチャとなる貴金属。そして3人の頭上に落ちる黒い影。
ダジリンとアッサムの顔は凍りついた。
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