「あれ…宿がなくなってしまいました?」
それを俗に『道に迷った』という。
イエローストーンのレイン・オーフェは、途方に暮れ周囲を見渡した。ここ、ブリストルの街に一行が入り3日が経とうとしている。残るレッド、インディゴ、パープルストーン…3人のレインの情報が掴めずに時間ばかりが経過し、一行の財布を握る彼は、底が見え始めた所で再び金を稼ぐ方法を考えていた。そうして色々と考えている内に目的地を見失ってしまったのだ。
「『接客業』とやらはタケルさんに反対されてしまいましたし、そうなると神官の生業でどうにかしましょう。すると…結婚式とか御葬式とか催して頂ければ早いんですが…」
かなり不謹慎な事を言っているのに本人は気付いていない。
「とりあえずは一旦戻りましょう。…こちらが…東ですよね?」
誰に訊いているのか分からないが、夕日を向いて納得している。
「日が沈むのは西ですよ」
聞き覚えのない声があった。それにオーフェは振り返ると、身なりの良くいかにも魔術師といった出で立ちで、ダンゴ鼻が特徴の愛嬌ある男が立っていた。
「神聖魔法の使い手とお見受けしました。私、オルトロスという者です。仕事をお引き受けして頂けませんでしょうか?」
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