テレポートで洞窟を脱出した後、フェルラーラの街へと戻りルクレチアとは別れた。彼女は独自でガイアスを追うという。ボロニアが目覚めるのを待ち、封印石はガイアスに奪われたと嘘を伝えた。失意の彼を館まで送り届けた後、報酬を受け取って現在に至る。
「あ、そうそう。シャーク」
「何だ?」
「あの時は庇ってくれてありがと。これからもサポーター、宜しくね」
リュートはシャークの方を振り返らずに、短く言った。照れているのだろう。
クロスナイツのサポーターか、大任だ。
「最後に一つ、聞いてもいいか?」
「答えられる事ならね」
「3年前の聖戦。ヴァティスは消滅したはずだ。なのに世界の各地では未だに魔将が出没する。奴らは今回みたいな禁呪が生み出したもんなのか?」
「全部が『夢魔陣』産じゃないだろうね?」
「だったら何だ?」
「俺にもわかんないよ。ヨシュリアだって年に数回、国を挙げて魔将討伐隊を出してる。レインもよくは分かってないんじゃないかな」
門から出て街道の坂道を下り出したリュートは立ち止まり、前方に長く続く道を見下ろした。3年前の聖戦…レインとラシューヌ神により、魔界の神ヴァティスは倒された。平和を彷彿とさせる朝露の滴る緑の大地と雲一つない青い空。そして霧霞む遠方には冒険者らしい人影が、数人見える。あの大戦が終わった後も、人を襲う魔将に比して冒険者の数が減る事はない。
「だからさ、最近は魔将と戦う冒険者を探求者…『クエスター』って呼ぶんだってさ」
「その謎を探求する者という意味か?」
「そ。俺もクロスナイツって大層な肩書きよりはそっちの方が好きだけどね」
出会ったときと同じ屈託のない笑顔で、リュートは答えた。シャークもまた小さく笑い返す。
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