翌朝、グレイは「弓張り月」のマスターにギルド脱退届を差し出した。
「本気か?」
「うん、僕も冒険者…クエスターになりたいんだ」
ようやくこのパータリプトラにもギルド支部が設立したばかりなのに、とマスターは残念そうに呟く。耳を垂れてペコリと頭を下げたグレイは愛用のマンドリンを背に担ぎ、楽しそうに尻尾を振って店の出口へと向かった。そんな彼の旅立ちを見送りながら、マスターは最後に彼に尋ねる。
「で、まずはどこへ行くつもりなんだ?」
「レインとまったく同じ道筋で旅がしたい。レインとルラが旅立ったのはライムなんだ。だから僕はブルーストーンのレイン・アレス王の居るライアスへ行くよ!」 |