第1話 誓約
シーンC
○テーベの街・墓地
静かに雪が降る墓地。
早朝。
まだ薄暗い。
ある墓石の前にグリークは立つ。

T グリーンウッドの勇士・ダイ ここに眠る

グリークはガクリと膝を落として、墓石に額を付ける。
グリーク 「『グリーンウッド』はルラとレインの為にあった。ルラは死に、レインも居ない。
フォレスタもグリンも、もう居ない」
髪に隠れるグリークの表情。
ポタポタと涙が雪の上に落ちる。
グリーク 「あたしは一体どうしたらいいんだい。教えておくれよ、ダイ…」
とその時。
背後からミシッ…ミシッ…と覚束無い雪を踏む音が聞こえる。
?(コナン) 「へへ…やっぱり…ここに居た…」
グリーク 「!」
グリークが振り返ると。
そこには血塗れで眠っている赤子を抱きしめているコナンの姿。
グリーク 「コナン!」
コナン 「久しぶり…グリー…ク…」
言い終わる間も無く、コナンの体は崩れ落ちようとする所をグリークが支える。
グリーク 「コナン!こいつは一体…」
コナン 「老けたね…グリーク…」
コナンは力なく笑う。
グリーク 「あ、当たり前だろ。あたしはお前と違ってエルフじゃないんだから…」
コナン 「こいつさ…」
コナンは視線で抱えた赤子を示す。
コナン 「『ダイス』っていうんだ。頼むよ。ダイの…死んじゃった子供『ダイス』の事忘れないように…ッツ!」
コナンは苦痛に顔を歪める。
グリーク 「コナン!」
コナン 「ダイも…」
次にコナンは墓石を見つめる。

インサート・第18話
寝台で体を起こすグリークは産婆から預かり、我が子を抱く。
グリーク 「!」
赤子の手にグリーンストーン。
グリーク 「ウウウッ…」
赤子を抱きながら泣くグリーク。
その様子を静かに見守る、ダイ&コナン。

コナン ダイも俺も…グリークが好きだったんだよ。
だから…約束したんだ。
あのバカが…早死にした分…
あいつの分まで幸せにしてやるって…」
グリーク 「コナン…」
コナン 「でも、ドジしたな…」
コナンは微笑み。
弱弱しく赤子を抱えていない反対の手をグリークに差し出す。
コナン 「…俺が与えられる…精一杯の『幸せ』だ…」



グリーク 「!」
コナン これを…コンピニア三博士の1人…ドギに渡すんだ!
彼は…これを…コンピニアの力を正しい方向に使える男らしい…
きっと力を貸して…ッッ!!」
ズルリとコナンの手がグリークの掌から落ちる。
グリークの掌に残されているのは、ダヴァンの三角錐の飾り。
グリーク 「コナン!」
ダイス 「おんぎゃぁぁぁぁ〜〜〜〜」
グリークの叫びにダイスは目覚め、泣く。
一頻りの間。
グリーク 「!」
グリークは背後の気配に気付き、ダガーを投げる。
雪の積もる枯れ枝に止まっていた蝙蝠が地に落ち、火花を上げて小さく爆発する。
グリーク 「…こいつらが…」
?(ジュウジュ) 「グリーク〜〜〜〜!」
ちょうど、墓地に向かって走ってくるジュウジュとペンソ、リップ。
3人は倒れたコナンと泣いている赤子に気付く。
ジュウジュ 「コナン…」
グリーク 「弔ったら、すぐにアジトの場所を変える」
リップ 「グリーク?」
グリークはコナンを横たえ、腕にダイスを抱き立ち上がる。
グリーク 「レインだってただの人間だった。それだけの事だ。だからあたし達がいる。違うかい?」
グリーク、決意の表情。
立ち上がったグリークに、ジュウジュ、ペンソ、リップの3人は大きく頷く。
リップ 「うん!」
ペンソ 「俺達がレインの無事を信じなきゃ…!」
ジュウジュ 「そうだな、それがオレ達のグリーンウッドだ!」

To be continued…
LEGEND =Leohault=