| 第3話 未来への航海 | |
| シーンA | |
| ○グリーンウッド(以下GW)・本拠地 | |
| ティキ (ナレーション・ 以下N) |
「オレンジストーンのレイン・ミッフィーの無事が確認された。そして彼女の話では『残るレインは生きている』という。封じられてはいるけれども。 朗報は人の心を奮い立たせる。全土のグリーンウッド支部は、彼女の後援に当たった。また、システムHも概形においては最終段階に入っていた」 |
| 製造最終段階に入るシステムH(飛空艇)。しかし、照明が暗く外形はシルエットのみ。 製造フロントをブースの窓からティキが見下ろしている。 ブースに入って来るのは、グリーク。 |
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| ティキ | 「どうだったかね?」 |
| グリーク | 「ミッフィーがマルスとか言う男と行動を共にしているらしい。情報はここまでだ。彼女はあたし達に気遣って、極力接触を避けてる」 |
| ティキ | 「巻き込みたくはないんじゃろう」 |
| グリーク | 「マーハが、よく口にしていた」 |
| ティキ | 「レインか…。お主も…グリンに会いたかろうに?」 |
| グリーク | 「誰があんなバカ息子と…」 |
| グリークはティキの隣に立ち、フロントを見下ろす。 | |
| グリーク | 「でも、これは見せてやりたいね…」 |
| 苦笑するグリークを横目で見つめるティキ。 | |
| グリーク | 「首尾はどうだい?」 |
| ティキ | 「設計に関してはほぼクリアしておる。後は…これが一番肝心なんじゃが、『動力』じゃ」 |
| グリーク | 「『動力』?」 |
| ティキ | 「システムH『Hope』。人々の正しき夢を力とする、システムの本質」 |
| グリーク | 「正しき夢…か?」 |
| ティキ | 「これだけの大掛かりな物を飛ばすんじゃ。相当のクルーが、しかも最小限に必要になる。酷な事を言う様じゃが無駄に人を乗せた所で、それは積載重量の負担にしかならんからのう」 |
| グリーク | 「クルーを集めなきゃね…ッ!」 |
| グリーク軽く咳き込む。 | |
| ティキ | 「どうした、グリーク?」 |
| グリーク | 「風邪かねえ、ここの所方々歩き回っていたから変なものを拾ってきたようだ」 |
| とその時、ブースに入ってくるサンドラ。 | |
| サンドラ | 「ティキ、ちょっといいかしら? 例の小型プロトタイプについてなんだけど…」 |
| ティキ | 「分かった、行くゾイ」 |
| ブースを出て行く、ティキとサンドラ。 グリークは再びフロントに視線を戻し、再び咳き込む。 |
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| グリーク | 「ケホッ…ッ…ゴホッ…!」 |
| 口に当てた掌を、広げ見て。 グリークは目を見開く。 そこには赤い血。 |
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| ○【サブタイトル】 | |
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| ○カナウジの街・通り | |
| 小さな港町を歩く、グリークとサンドラの2人。 夜逃げしたような、荒れた家並みが続く。 |
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| テロップ(以下T) | 「ライム暦2005年、ファンジーム大陸北部の街・カナウジ」 |
| サンドラは立ち止まり、空を見上げる。 | |
| サンドラ | 「嫌な天気ね。海はすぐそばだっていうのに、カモメの一匹も鳴きやしない」 |
| グリーク | 「しかし、何だってあんたまで付いてきたんだい?」 |
| サンドラ | 「クルーを探すんでしょう? 何だか楽しそうだと思ってね」 |
| グリーク | 「やれやれ…」 |
| サンドラ | 「『クルー』と、言うのは建て前よ。最近グリークは顔色が悪いから…無理してるんじゃないの?」 |
| それを聞き、一瞬グリークは言葉に詰まる。 港へ歩き出すグリーク。 後を追うサンドラ。 |
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| グリーク | 「今回の相手は、お前さんみたいのが居ると、厄介なんだよ」 |
| サンドラ | 「『あたしみたいの』が居ると、どう厄介なのかしら?」 |
| 港が見えてきた所で、突如響き渡る悲鳴と怒声。 | |
| ガヤ | 「出た〜〜〜〜!」 |
| ガヤ | 「逃げろ〜〜〜〜!」 |
| ガヤ | 「うわぁぁぁぁぁっっっっ!」 |
| 頭上、空低く街に限局した黒い雲が広がる。 同時に港の方から聞こえる、激しい波の音。 巨大な何かが、海から現れる潮の音。 |
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| グリーク | 「!」 |
| サンドラ | 「グリーク!」 |
| ?(ジェナード) | 「よせ!」 |
| 港に走り出そうとするグリークの腕を掴むのは、ジェナード。 | |
| ジェナード | 「死ぬ気か! (サンドラに)あんたも早く建物の中へ!!」 |
| ジェナードに連れられ、空き家の中へ避難するグリークとサンドラ。 割れた窓から見える、街に降り注ぐ豪雨。 港の方から絶叫が聞こえる。 |
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| ガヤ | 「ギャアアアアァァァァ〜〜〜〜!」 |
| ジェナード | 「あの声は!」 |
| ?(シーザー) | 「ジャ〜〜〜〜ックッッッッ!!」 |
| 恐らく絶叫の主であろう名を呼ぶ、悲痛な男の声が街に響く。 | |
| ジェナード | 「ジャック…、クッ!」 |
| ジェナードは拳で壁を叩く。 すぐに豪雨は止み、薄暗いが日が射す。 |
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| グリーク | 「一体、何が起こってるんだい?」 |
| ジェナードは顔を背けたまま、悔しそうに呟く。 | |
| ジェナード | 「ここの海は呪われている…。命が惜しいなら、早くこの街から出て行くことだ」 |
| グリーク&サンドラ | 「……」 |
| 2人、その表情。 | |
| ○カナウジの街・港 | |
| 港に集まっている、男達。どこか、柄の悪そうな印象を受ける海賊達。 港のあちこちに散らばる荷物や船の残骸。倉庫は今にも崩れそうに傾いてる。 その、どれもが強酸に曝された様に溶け落ちた跡が残る。 |
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| ガヤ(海賊) | 「ビルに続いてジャックまで…」 |
| ガヤ(海賊) | 「ちくしょう…」 |
| 男達の集まる中心に、犠牲者と思われる男の亡骸がある。 (ボロボロに溶けた服の一部が見える) 亡骸に歩み寄る1人の男。 シーザー。 膝を折り、自分のマントを外す。 |
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| グリーク&サンドラ | 「!」 |
| その輪に辿り着いたグリークとサンドラは、亡骸の無残な姿に言葉を失う。 | |
| ジェナード | 「シーザー、お前に客人だ」 |
| シーザー | 「……」 |
| 外した自分のマントを亡骸にかける、シーザー。 立ち上がり、ジェナードへ振り返る。 |
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| シーザー | 「俺に客だと?」 |
| 立ち上がるシーザーはジェナードの隣に立つ、グリークとサンドラに目を留める。 | |
| シーザー | 「ほお…これはこれは…」 |
| サンドラに近づくシーザー。 | |
| シーザー | 「えらい上玉じゃねえか?」 |
| サンドラ | 「……」 |
| 呆れた様に小さく吐息を漏らすサンドラ。 | |
| サンドラ | 「『あたしが居ると困る』って褒め言葉だったのね。 あなたが言ったわけ、なんとなく分かったわ、グリーク」 |
| ジェナード | 「『グリーク』だと!」 |
| ガヤ(海賊) | 「グリークってまさか…」 |
| ガヤ(海賊) | 「あの、『グリーンウッド』の親玉!」 |
| シーザー | 「『グリーンウッド』?」 |
| サンドラからグリークへと目を移すシーザー。 | |
| インサート・第5話 シーザーと対峙するレイン一行。 |
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| シーザー | 「ああ、グリーンストーンのレインの…そっくりだな」 |
| サンドラ | 「!」 |
| サンドラはシーザーを睨む。 | |
| サンドラ | 「あんた、レイン達を知ってるの!」 |
| シーザー | 「あいにく、バアさんには興味がねえんだ…」 |
| 再びサンドラを向き、彼女の頤に手を当てる。 | |
| シーザー | 「もう、6年位昔の話だが。あれ以来、会っちゃあいない そんな話はどうでもいい。 こんなとこにわざわざ俺に会いに来てくれるとはな。ただじゃあ、帰れねえって事。分かってるだろ?」 |
| ガヤ(海賊) | 「ヒュ〜ヒュ〜」 |
| 周囲の海賊から野次が飛ぶ。 只一人、状況を静観するジェナード。 その時。 バキッ! グリークが、シーザーの膝を思いっきり蹴り上げる。 |
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| シーザー | 「イッ!」 |
| 思わずつんのめり、膝を落とすシーザー。 彼の手からすばやく離れるサンドラ。 |
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| シーザー | 「何しやがる、このクソババア!」 |
| グリーク | 「『バアさん』とはなんだい! 年上に対する礼儀がなっちゃいないんだよ!!」 |
| ガヤ(海賊) | 「こいつ!」 |
| ジェナード | 「待て、お前達!」 |
| シーザー | 「!」 |
| 海賊がグリークを取り囲むより早く、グリークのダガーが膝を突いたシーザーの首に当てられる。 | |
| シーザー | 「チッ!」 |
| グリーク | 「(包囲する海賊に)頭を傷つけられたくなけりゃあ、黙ってな!」 |
| ガヤ(海賊) | 「……」 |
| ジェナード | 「言う通りにしろ」 |
| ジェナードの声に、渋々各々の武器を仕舞う海賊達。 | |
| シーザー | 「バアさん、何が目的だ?」 |
| グリーク | 「……」 |
| バキッ! 再び、グリークがシーザーの頭をグーで殴る。 |
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| グリーク | 「まだ、分からないのかい。ウチのバカ息子並だね!」 |
| シーザー | 「ッ〜!」 |
| グリーク | 「安心しな、あんた達を潰しにきたわけじゃあない。危害を加えるつもりもなかったんが…」 |
| シーザー | 「十分、危害は加えてるぞ」 |
| グリーク | 「あんたの挨拶をお返ししたまでだ」 |
| サンドラを目で示すグリーク。 | |
| グリーク | 「けどね。これ以上、この子に手を出せば『グリーンウッド』がただじゃあおかない。勿論あたしにもだ。あんたも、人の上に立つ人間なら、自分の言動を慎んでもらいたいもんだね」 |
| シーザー | 「なるほど。脅しか?」 |
| グリーク | 「脅しとは言わないよ。これから言う事を聞いてもらえばいい。聞いてどうするかは、あんたの判断に任せる」 |
| シーザー | 「『グリーンウッド』の頭とやらは、寛大深いな」 |
| サンドラ | 「ねえ、まさか。彼を…って言うんじゃ?」 |
| グリーク | 「そのまさかだよ」 |
| シーザーの首筋からダガーを離すと、シーザーは再び立ち上がる。 彼を見上げるグリークは苦笑する。 |
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| グリーク | 「癪なのは、そうやって立たれると肝心の頭を殴れない事だね」 |
| シーザー | 「で、『俺を』どうする気何だ?」 |
| グリーク | 「レインを知り、彼らを理解する人間はそう多くはない」 |
| シーザー | 「タケルと逢った事のある俺だから、訪ねて来たって事か?」 |
| グリーク | 「そうだ。オレンジストーンのレインは生きていた。あの子達も生きているに違いないんだ。今は行方不明だけれども」 |
| ガヤ(海賊) | 「レインが生きてるだと!」 |
| ガヤ(海賊) | 「死んだんじゃなかったのか?」 |
| ガヤ(海賊) | 「じゃあ、俺達は助かるんだな!」 |
| ガヤ(海賊) | 「これで、世界が救われるんだ!」 |
| ジェナード | 「グリーンストーンのレインをメンバーに持つ、グリーンウッドだけがその情報を握っていたと言う訳か」 |
| フラッシュバック・第5話 夕焼けの中、シーザーと対話するタケル。 |
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| シーザー | 「タケルは生きていたか。 あいつはそう簡単にくたばる奴らじゃないと思っていたが」 |
| グリーク | 「それで、彼らの為…援護に必要なある力を手に入れた」 |
| シーザー | 「力だと?」 |
| 一瞬見せる、シーザーの驚き。 | |
| グリーク | 「そう、失われたコンピニア文明の着想『システムH』。これにはあんたのような人間が必要になる。 けどね、『システムH』に強制は意味がないんだ」 |
| シーザー | 「仲間になれって誘いか?」 |
| グリーク | 「簡単に言えばね」 |
| ジェナード | 「……」 |
| 静まる海賊達。 シーザーは遠く、海を眺める。 |
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| シーザー | 「ここ、カナウジは俺達の溜り場。賑やかな港町だった。『再臨』の前…あの『アシッドスコール』が現れるまではな。 あの魔将がこの海に巣食ってからは、船を出す事すらままならねえ」 |
| シーザー、海賊の仲間達一人一人を見回す。 その表情。 |
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| シーザー | 「あいつは俺達が倒す。海賊が海を捨てればただのならず者だ。 海を捨てたくはない」 |
| ジェナード | 「シーザー…」 |
| ガヤ(海賊) | 「船長…」 |
| シーザー | 「それにな、あんた達は間違ってる」 |
| グリーク&サンドラ | 「!」 |
| シーザー | 「ここで一つ賭けをしようじゃないか? 本来ならアレを仕掛けたいところだが…」 |
| ジェナード | 「帆上の決闘は止めておけ。今はマストに上るいや、むやみやたらに港に出るのも危険だぞ」 |
| グリーク | 「『賭け』だと?」 |
| シーザー | 「そうだ、今俺は言った。『あんた達は間違っている』と」 |
| グリーク | 「ああ」 |
| シーザー | 「その間違いに気付けば、力になろう」 |
| グリーク | 「『間違い』…」 |
| グリークは自問するように、その言葉を繰り返す。 シーザーは、ジャックの亡骸に目を落とす。 |
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| シーザー | 「気付かん時は、それまでだ。俺達にとっては分の悪い賭けだが、『グリーンウッド』を敵に回したくはないんでな」 |
| 亡骸のすぐ傍らにある、ジャックの物と思われる眼鏡を手に取るシーザー。 | |
| シーザー | 「…! ジェナード!!」 |
| ジェナード | 「!」 |
| 呼ばれて、我に返るジェナード。 | |
| シーザー | 「すぐ近くの『エローラ』の村はガラス細工で有名だったな?」 |
| ジェナード | 「ああ」 |
| シーザー | 「これからいう物を準備させろ。すぐにだ。蓄えもガラスはすべて奴らに引き渡せ!」 |
| ジェナード | 「分かった!」 |
| シーザー | 「ニコルとカティスは、残る蓄えを使って投石器を修理しろ。出来るだけ衝撃を少なく、そして照準の合わせやすく調整しろ! ホークとロイはありったけの火薬を準備しておけ。他の野郎共は、ジェナードの指示に従え!」 |
| ガヤ(海賊) | 「ラジャー!」 |
| サンドラ | 「ラジャー?」 |
| シーザー | 「ああ、『了解』って事だ。おっと、アニスとリリア。客人はお前に任せる。宴会の仕度もしておけよ」 |
| ガヤ(海賊) | 「ラジャー!」 |
| サンドラ | 「何、一体何が起こったの?」 |
| 目の前で繰り広げられる手際よいやり取りに呆然とするサンドラ。 シーザーは、海賊達に向きなおす。 |
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| シーザー | 「ジャックを弔ったら皆すぐに、言われた通りに動け。今夜までにだ! 死んだ奴らの仇、落とし前。今度こそつけるぞ!!」 |
| ウオォォォ〜〜〜と上がる歓声。 | |
| グリーク | 「……」 |
| グリークは、意気揚々としたシーザーの横顔を見つめる。 何かを確信したような、その表情。 |
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| ○カナウジの街・酒場 | |
| 客人として扱われる、グリークとサンドラ。 2人の女海賊に丁寧な接待を受けている。 荒れた店内は小奇麗に掃除され、食卓の上に並べられる料理と酒。 海賊達が続々と集まってくる。 その机の上にある1本のワインボトルに目を留めるグリーク。 |
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| グリーク | 「ありゃあ、サーンチーの葡萄酒じゃないかい!」 |
| サンドラ | 「ちょっと、グリーク!」 |
| 止めるサンドラを無視して、ワインボトルへ嬉々として向かうグリーク。 ワインを早々とグラスに注ぎ、そこへどこからか取り出した小瓶の酒をブレンドする。 |
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| サンドラ | 「んもう。お酒となるとこうなんだから」 |
| ?(シーザー) | 「あれは、何だ?」 |
| サンドラ | 「ウォッカよ。グリーク特注の。とんでもないアルコール度数…、ッ!」 |
| 思わず答えてしまったサンドラは、声の主・シーザーを見上げる。 | |
| シーザー | 「ならば、試してみるかな?」 |
| サンドラ | 「止めときなさいな、明日に備えるつもりならね。あんなのグリークでなくては飲めないわ」 |
| シーザー | 「聞いてもいいか?」 |
| サンドラ | 「あたしで答えられる事なら」 |
| シーザー | 「あんたほどの女が、なぜグリークと行動を共にしている。どうみても、その筋のもんじゃないだろう?」 |
| サンドラ | 「何かと思えば、あたしの事なの?」 |
| シーザー | 「システムだの、レインだの。今の俺には興味がねえからな。 なあ、俺の女にならないか?」 |
| サンドラ | 「シーザーって言ったわね。自惚れるつもりじゃないけど、そんな風に口説かれた事、今までに何度でもあるわ。 でも、あなたはあたしが見たどんな男よりも変わってる」 |
| シーザー | 「そうかな?」 |
| サンドラ | 「どんな台詞も冗談にしか聞こえない。恋は本気でなくては嫌よ。 あたしは、安い女になりたくないの」 |
| シーザー | 「恋か…」 |
| シーザーは酒場に集まる、海賊達を見つめる。 | |
| シーザー | 「真に恋を舞う姫はその舞に恋をしていると言うが、あんたはどうかな?」 |
| サンドラ | 「あたしが踊り子だって知っているの?」 |
| シーザー | 「さあ。『麗しの舞姫』といえば、大層有名だぞ」 |
| ニヤリと笑う、シーザー。 ふうん、と目を細めて面白そうに微笑むサンドラ。 |
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| サンドラ | 「それも、どこまで本当なのかしら。船長さん?」 |
| そして彼女は、シーザーと同様に楽しそうに歓談する海賊を見つめる。 サンドラ、その表情。 |
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| サンドラ | 「やらなければ、ならない事なのよ。 あたし達は間違ってはいないわ」 |
| ○カナウジの街・酒場の屋外 | |
| ブレンドした酒のグラスを片手に、酒場の出口に只一人。壁に寄りかかるグリーク。 | |
| グリーク | 「ケホッ、ケホッ…」 |
| 軽く咳払いをした後に、グラスに口をつける。 | |
| フラッシュバック・港 | |
| シーザー | 「それにな、あんた達は間違ってる」 |
| グリーク(M) | 「あんな若造に…一体あたしの何が間違っているっていうんだ」 |
| フラッシュバック・第2話 グリンをたしなめ、グーで殴るグリーク。 |
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| グリーク(M) | 「いや、あたしは二代のレインに深く関わった人間だ。夫と息子と。 『グリーンウッド』と言う組織もまた、レインのためにあった。他の奴らとは立場が違う。 それだけに、重要な何かを見落としてるのかもしれない…」 |
| インサート・港 サンドラを口説くシーザーが、グリークを振り返り。 その姿が、フォレスタと重なる。 |
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| グリーク | 「馬鹿げてる…酔いが廻ったか」 |
| 苦笑するグリーク。 | |
| フラッシュバック シーザーに重なるフォレスタ。 |
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| フォレスタ | 「レインは…本当にお前の期待しているようなやつじゃない…」 |
| グリーク | 「!」 |
| 我に返るグリーク。 とちょうどその時。 酒場から響き渡る、シーザーの声。 |
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| シーザー | 「明朝、港でアシッドスコールが現れるのを待つ。これが最後だ。 ヤツを倒し、俺達の海を取り戻す!」 |
| ガヤ(海賊) | 「ウォォォォ〜〜〜〜!」 |
| シーザー | 「海無くして海賊に明日は無い! 俺達の未来を勝ち得るために、戦うのは俺達自身だ!!」 |
| ガヤ(海賊) | 「ウォォォォ〜〜〜〜!」 |
| グリーク | 「……」 |
| 酒場の入り口から、その様子を伺うグリーク。 | |
| グリーク(M) | 「未来を得るために戦うのは自分自身…そうか…!」 |
| グリークの元へ歩み寄るサンドラ。 | |
| サンドラ | 「グリーク、どこへ行っていたの?」 |
| グリーク | 「あいつの言う『間違い』が分かった」 |
| サンドラ | 「え? …それじゃあ…」 |
| グリーク | 「だが、まだだ。明日の戦いを見届ける」 |
| サンドラ | 「グリーク?」 |
| グリーク | 「海賊船船長のお手並み拝見といこうじゃないかい…」 |
| グリークとサンドラは海賊達を激励するシーザーの姿を見る。 | |
| ○【アイキャッチ】 | |
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