第4話 天使と道化師
シーンB
○迷いの森





旅姿、一様に覚束無い足取りのダジリン、セイロン、アッサム。
セイロンはぺたりと腰を落とす。
セイロン 「もぉ〜だめよぉ〜。これ以上歩けないわ!」
悲鳴を上げるセイロンの横、同じくアッサムもバタリとうつ伏せに倒れる。
アッサム 「わいもや…もう歩けんで。かれこれ3日も、飲まず食わずやん…もう限界やわ」
ダジリン 「何を情けない事言ってるんだ〜、お前ら!」
振り返るダジリン。
だが、そんな彼も頬はげっそりと落ち、顔面蒼白。
ダジリン 「レインと称えられた頃の、栄光の歴史を忘れたか〜!」
セイロン 「もう、かれこれ…6年前の話よ…それ…」
アッサム 「だからもう、限界やて言うとる…ほんまのレインがあんだけ派手に動いてたんやし〜」
セイロン 「ばっかねぇ〜、今更レインだって名乗ったところで。偽者ってバレるわよ」
ダジリン 「だ〜か〜ら、いっそレインに追いついて…仲間となって後のヒロイック・サーガに唄われるのだ〜!
レインと共に旅した勇者。時に彼らの危機を救い、時に彼らに知恵を授け、時に凶悪な魔将を撃退する!!
その名もダジリン!」
ボソリと呟くアッサム。
アッサム 「どれも、絶対ありえん…。レイン人気に便乗って事やな…」
セイロン 「レイン人気って素敵じゃな〜い、特にレッドとパープルのレインはいい男だって言うし…ってこの森、一体いつになったら出られるのよ!」
ボソリと呟くアッサム。
アッサム 「この森…『迷いの森』って言うんや」
ダジリン&セイロン 「はあ?」
アッサム 「いっぺん入ったら二度と抜けられないねん。
それにレインがこの森に入ったんは5年前の話やで。もう、と〜っくに居へんと思うねんけど…」
セイロン 「マジ!」
ダジリン 「それを早く言え〜〜〜〜!!!!」
と叫びながら、そのまま白目を剥いて仰向けに倒れるダジリン。
セイロン 「ダ、ダジリ〜ン!」
アッサム 「あかん、わい等も…もうここまでか…」
?(フレディン) 「残念ですね…、つい最近までいらっしゃったんですよ…」
セイロン&アッサム 「!」
その穏やかな女性の声に、セイロンとアッサムは顔を上げる。
にっこりと微笑む女性・フレディン。
背には天使の白い翼。
セイロン 「お迎えだわ、ついにお迎えが来たんだわ〜!」
アッサム 「ちゃう、ちゃうで…天人や…」
ダジリン 「……」
ダジリンは虚ろな顔でフレディンを見る。
仰向けに倒れている、そんな彼の顔を覗き込むフレディン。
フレディン 「あの…大丈夫ですか?」
セイロン&アッサム 「見れば分かるだろ!」
ダジリン 「……」
ダジリンは惚けた表情でフレディンを見入る。
ダジリン 「天使だ…」
その言葉を最後に、再び白目を剥いて意識を失う。

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