第7話 贖罪
シーンD
シーザー 「俺はお前に船を下りろとは言わん。お前はイーグルトップであり、クルーの一員だ」
ジュウジュ 「チッ…チクショウ…!」
ジュウジュを離すシーザー。
ジュウジュはその場にガクリと項垂れる。
ジュウジュ 「マントを使うたあ…卑怯だぞ、シーザー!」
シーザー 「勝つ為に手段は選ばん。これからの戦いはそうだ」
ジュウジュ 「!」
シーザーはクルーに向かう。
シーザー 「レオハルトは必ず飛ぶ。
お前達は最初に何を想ってここに集ったかを考えろ。お前達の願いは何だ?
ここで言い争った所でその願いは叶うのか?」
クルー(ガヤ) 「……」
シーザー 「いつ、魔将に襲われるやも知れぬ恐怖。魔界神と魔王による殺戮と破壊。こうしてる間にも人は死に、そしてレインは戦っている。
その事を忘れるな!」
クルー(ガヤ) 「……」
シーザーは落ちたマントを拾う。
シーザー 「テストは今から10分後にする。ぼやっとしてるな、それぞれ配置に付け!」
シーザーの檄に散り散りになるクルー。
シーザーもまた踵を返し、サンドラとジェナードの元へと戻る。
デッキに残るのは一握りのクルーのみ。
サンドラ 「一致団結というにはまだ程遠いわね…」
シーザー 「まあな、しかし。また…マントの新調か…」
ジェナード 「クックック、ハデといわれた事だしこれを機会に衣替えなんてどうだ?」
シーザー 「冗談じゃない。こいつもまた俺の流儀なんだ」
相手にされないジュウジュは、去ろうとするシーザーに叫ぶ。
ジュウジュ 「待てよ、俺はテメエを認めたわけじゃねえからな!」
?(サルサ) 「もうお止め下さい!」
デッキに入ってきたのはサルサ。
手には何やら大きな荷物を抱えている。
ジュウジュ 「あんたは確か…?」
サルサ 「私の話を聞いては頂けないでしょうか?」
ジュウジュ 「え…」
サルサ 「これをどうぞ」
サルサはジュウジュに包みを渡す。
同様に、シルクレスト、クルエ、ペンソに同じ様な包みを渡し。
最後にサンドラ、シーザーに包みを渡す。
シーザー 「これは…」
包みを広げるジュウジュ。
中には揃いのパイロットスーツ。
同じ様に皆包みを広げるとその中には、それぞれの制服がある。
サルサ 「まずは形から入りましょう!」
ジュウジュ 「はあ?」
それまでの緊迫した空気が一瞬にして壊れる。
クルエ 「昨日から部屋に篭りっきりで、てっきり…落ち込んでいるもんだと…」
サルサ 「いつまでも、落ち込んでなんていられませんよ」
にっこりと笑うサルサ。
サンドラ 「まさか、これを作っていたの?」
サルサ 「はい。ですから、申しましたように形から入りましょう。
私ここに居られる皆様とは、全く面識はございません。けれども、同じ志を持っています。
何事も形からと言うではありませんか」
シーザーは包みから服を出す。
シーザー 「ほう、これは。マント新調の手間が省けたな。気に入った!」
ニヤリと笑う。
クルエもまた、服を体に当ててみる。
クルエ 「確かにね、なんかこう。みんなでお揃いって…気持ちが一つになったみたいでいいじゃない?」
シルクレスト 「まあ、悪くはないかな」
サルサ 「さすがにクルー全員という訳には参りませんでしたが…」
ジェナード 「それは仕方ないだろう」
ペンソ 「前向きな子だなあ…」
腰を落としたままのジュウジュの前に座っているサルサ。
ニッコリと笑う。
サルサ 「ね、どうでしょう。ジュウジュ様?」
ジュウジュ 「う…」
サルサに見つめられて、真っ赤になるジュウジュ。
ジュウジュ 「分かったよ。あんたに免じて今日は引き下がる、でもな…」
再びシーザーを睨む。
ジュウジュ 「まだ、認めたわけじゃないからな」
シーザー 「ハッハッハ、喧嘩ならいつでも受けて立つぞ」
ジュウジュ 「フン!」
シルクレスト 「お、おい。どこ行くんだよ、ジュウジュ!」
ジュウジュ 「着替えるんだよ、もうすぐテストなんだろ!」
鼻息荒くその場を後にする、ジュウジュとシルクレスト。
シーザー他、クルーは微笑む。

○レオハルト・ブリッジ
夕方。
ブリッジに居るのはティキとフォウリー、そしてクルエとリップ。
リップ 「へえ、そんな事があったの…」
クルエ 「結局、テストは今回も失敗だったけどね。何か深く考えるのバカらしくなっちゃってさ」
リップ 「まったく、しょうがないわね。お兄ちゃんは…」
クルエ 「ところでレインに逢ったんでしょ。話したの、レオハルトの事?」
リップ 「ううん。グリン達には内緒にしちゃった」
クルエ 「ふうん。まあ、変に期待されても困るし〜なんてね。
驚かしたい気持ちも分かるわ」
リップ 「グリークの事は話したの。でもね、強いの。グリンは…。
さすがレインだなって思った…」
クルエ 「レインか…また逢えるかな」
リップ 「逢えるわよ、きっと!」
その2人の元へ飛んでくるフォウリー。
フォウリー 「いいなぁ〜。お揃いの服」
クルエ 「だめよ、フォウリー。今、サルサはナビゲーターの仕事を覚えるので手一杯なんだから。
これ以上手間を掛けさせちゃ…」
ティキ 「しかし、明るくていい子じゃないか。ここを訪れた時は、どうなる事かと思ったが」
クルエ 「うん。だからね、お近づきの印ってわけじゃないけど、リップにまたクッキー焼いてもらおうかと思って」
フォウリー 「何で、クルエが焼けばいいじゃない?」
クルエ 「あたしがそんな器用な事出来ると思ってるの?」
フォウリー 「ん〜、ムリかも」
リップ 「わかったわ。う〜んとたくさん焼いてあげる」
クルエ 「やった!」
?(シルクレスト) 「太るぞ」
クルエ 「!」
ブリッジに入ってくるのは、シルクレストとサルサ。
クルエ 「シ、シルクレスト。何でここに居るのよ」
シルクレスト 「あのなあ」
リップ 「ちょうどあなたの話をしていたのよ、サルサ」
サルサ 「はい。何卒宜しくお願い致します。
それと、リップさんがクッキーを作って下さるのなら私が美味しいお茶をお入れしますよ」
クルエ 「やった!」
シルクレスト 「クルエ、お前ホント食べるの専門だな」
クルエ 「う…うるさいわね。大体何しに来たのよ」
シルクレスト 「ああ、サルサがティキに話があるって…」
ティキ 「わしに?」
サルサ 「はい」
サルサは手にある封筒をティキに手渡す。
サルサ 「ダヴァン様からです」
ティキ 「!」
ティキは封筒を開ける。
大きな紙に書かれたそれを読むティキ、驚愕。
ティキ 「これは…!」

○魔界城・ヴァティスの間
玉座に座るヴァティスの前、頭を垂れるデデムとベナレス。
ヴァティス 「オレンジストーンとグリーンストーンのオウルがレインの手に渡ったか」
そこへ響く女性の声。
?(ソファーラ) 「だから、じい様は大人しく『バルバロス』を弄ってればいいのよ」
デデム 「じい様じゃと!」
デデムは振り返るとそこにはソファーラとウルグの姿がある。
ウルグ 「まあ、ボクにしてみればみんなおじさんおばさん…」
ソファーラ 「!」
ソファーラの右手から鈍い稲光が走る。
ウルグ 「ぎゃ!」
軽く感電したようなウルグ。
ウルグ 「イタタタ…」
ソファーラ 「『バルバロス』への生贄…程なく数が揃いそうですわ」
デデム 「そうか!」
ベナレス 「……」
その報告に喜ぶデデム。
デデム 「ヒッヒッヒ、ついにわれらが旗艦動きますぞ!」

To be continued…
LEGEND =Leohault=