第4話 春の夜の夢
シーンB
○同・奥の部屋
の瞳に涙が浮かぶ。
「!」
泣いているに気付く
「ごめん…ごめん!」
は立ち上がり、部屋を走り出て行く。
君!」

○同・春告げの桜
闇夜に浮かぶ桜。
花びらが舞う。
「ハアハアハア…」
立ち止まり後ろを向いたままの
君?」
「……」
後ろを向いたまま俯いて言葉を発さない
その背中を見つめるの目の前に、桜の花びらが舞い落ちる。
はすぐ傍らの、桜の木を見上げる。
「…こっちの世界にも咲くんだね…。もう、向こうの世界の桜は散っちゃったかなぁ。
夜桜かあ〜。綺麗だね!」
目尻に残る涙を拭うは微笑む。
「まあはに逢えるチャンス…今回は逃しちゃったけど。ちょっと悲しかったけど、もう一回逢える方法考えようよ。
元の世界に帰って、一緒の大学通ってさ…またファンタジー討論したり、2人で遊びに行ったり、講義聴いてからお互いのノート交換したり…でも勉強は負けないから、それと…自分の夢、小説家になる夢。頑張ってみようかと思う」
は舞い落ちる花びらを掌で受ける。
その花びらを見つめる
村が焼けて人が亡くなっても、こんな風に桜は咲くんだから。桜だって頑張ってるんだから、私達だって頑張らなくっちゃ、ねッ?」
「夢ならば覚めないで欲しい」
ようやく口を開くに、は黙る。
君?」
「けど、分かったんだ…」
声が震える
「人界に戻るっていう意味が。
人界に戻って、ゲートが閉じればここでの記憶を失う。あの時のお前との約束も、ここでの思い出も全部消える」
「……」
「それに、俺はの傍に居れない。卒業したら、俺は日本に居ないんだ。
だから本当は…記憶が残ったとしても、約束は守れない…ごめん」
君…」
「俺は…!」
へと振り返る
目に浮かぶ涙。



「帰りたくない、ずっとお前と一緒にいたい!
でも、間違いだって気付いた。お前を泣かしたから…ッ」
肩を震わす
そんなは歩み寄る。
「…帰ろう、君」
目を見開く
「……」
「私嬉しかった。笑ってたあの日、本当は泣きたかったの。思いっきり泣きたかったの。
その私に気付いてくれたから。その記憶はあるんだから。きっと元の世界でも、私はこう感じる…」
微笑む
「好きだよ」
「……」
の頬に手を沿え、唇を重ねる。

To be continued…
LEGEND =Dream=