| 第10話 学校の怪談 |
| シーンB |
| ○ベルナの街・エルシュリク魔法学校応接室 |
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相談するフィオ、ルーン、シャインとジェナード。 |
| フィオ |
「ジェナード。学長のマギウス=クロラフィルって…」 |
| ジェナード |
「ああ、彼は聖戦中に間違いなく死んでいるんだ。その姪に当たるカタリム=クロラフィルは、レオハルトのバックアップメンバーだった」 |
| フィオ |
「カタリム=クロラフィル?」 |
| ジェナード |
「ああ。俺はその娘に会いに来た。とはいえ、ここに居る確証はない。ただ死んだはずのマギウス=クロラフィルを名乗る何者かが、この学校の学長を勤めている。考えられるのは、彼女しかいない」 |
| ルーン |
「おいおい。学長は60過ぎたおっさんだって話だろ。そのカタリムって女がどう化けたってんだ」 |
| ジェナード |
「彼女には特別な力があるからな…。アレを使えば簡単なことさ」 |
| フィオ |
「アレって?」 |
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と尋ねた所で、部屋に入ってくるグレイ。 |
| グレイ |
「間違いない。あの絵は…魔将だ」 |
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振り返る他3人。 |
| ルーン |
「グレイ、本当か?」 |
| グレイ |
「うん、シルフに時計塔へ様子を見に行ってもらったんだ。確かに女性の絵が飾ってあったって…それと」 |
| ルーン |
「それと?」 |
| グレイ |
「うん…昏睡してる生徒の顔が…浮き出てた…」 |
| フィオ |
「ひ…マジ?」 |
| ルーン |
「お前のサラマンダーで焼き払っちまえよ」 |
| グレイ |
「ちょ…」 |
| シャイン |
「いけません。闇雲に焼いてしまえば…呪縛に囚われた生徒達の意識が戻らない可能性もあります!」 |
| フィオ |
「すると…生徒が人質にとられてるようなもんか」 |
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と、同時。
慌てた様子のピノが青い顔をして飛び込んでくる。 |
| ピノ |
「ひええええ〜〜〜〜!」 |
| フィオ |
「うわ、脅かすなよ。ピノ!」 |
| ピノ |
「聞いたのよ聞いたのよ、たった今聞いたのよ〜。女の話し声!」 |
| フィオ |
「え、ええ?」 |
| ルーン |
「ったく。フィオ」 |
| フィオ |
「うん?」 |
| ルーン |
「お前はジェナードとピノを連れて、その学長室へ行って来い!」 |
| フィオ |
「えぇ〜」 |
|
嫌そうな顔をするフィオ。 |
| ルーン |
「俺とグレイ、それにシャインはその絵を拝んでくる」 |
| グレイ |
「え、ちょっと!」 |
| シャイン |
「そんな何も作戦も立てずに戦うのですか?」 |
| ルーン |
「どうせ相手は、得体の知れねえ魔将なんだ。絵にしろ、幽霊にしろ魔法が主戦力になる」 |
| フィオ |
「そ、そりゃそうだけど」 |
| ルーン |
「学長室にいるその女の幽霊が、何か絡んでるってんなら…幽霊をぶった斬れ」 |
| フィオ |
「オレの剣で幽霊を斬れるわけないじゃん!」 |
| アリスタ |
「私がフィオと行こう」 |
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応接室に入ってくるアリスタ。 |
| フィオ |
「アリスタさん…」 |
| アリスタ |
「剣で太刀打ちできぬ相手なら、私も戦力になる。
それにもう、あまり時間をかけたくはないんだ。眠っているだけだが、食事も出来ない。医学的な処置を施しているが、こうしている間にも生徒の体は衰弱している」 |
| シャイン |
「無茶…じゃないでしょうか?」 |
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微笑むアリスタ。 |
| アリスタ |
「無茶は承知の上だ。あいつも、それに私もこうやってこの地を守ってきたからな。
教師と生徒の避難は済ませた。では、行こうか」 |
|
頷く一行。 |
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|
| ○同・エルシュリク魔法学校時計塔 |
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巨大なカーテンがかけられている壁一面にかけられた絵。
カーテンに覆われ、絵は見えない。
その前に立つ、ルーン、グレイ、シャイン。 |
| ルーン |
「なるほど、随分でかい絵だな」 |
| シャイン |
「本当に対策もなしで…ルーンさんって勢いだけで生きていません?」 |
| ルーン |
「おいおい…」 |
| グレイ |
「どうする、開ける?」 |
| ルーン |
「グレイ、お前はギリギリまで精霊を召喚するなよ。お前の精神力が事切れたら…まずい事になる」 |
| グレイ |
「う、うん。分かったよ」 |
| ルーン |
「シャインも、まずは防御に専念してくれ。いいな?」 |
| シャイン |
「はい…」 |
| ルーン |
「開けるぞ!」 |
|
カーテンを開くルーン。 |
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|
| ○同・エルシュリク魔法学校学長室前 |
|
女性のささやき声が聞こえる。 |
| ? |
「…すみません」 |
| ? |
「『ビジョン』の魔法一つにここまで時間がかかるとは…」 |
|
ささやき声に気付く、フィオ、ピノ、アリスタとジェナード。
扉のそばで聞き耳を立てる。 |
| ? |
「…申し訳ありませんッ」 |
| ? |
「例の魔将ですが…あれからどうなりました?」 |
|
『魔将』の言葉に、一行の顔は真摯になる。 |
| ? |
「うかつにもペンを奪われてしまって…もう私にはどうする事も…」 |
| ? |
「ご安心なさい、例の冒険者達が向かっているはずです。グリンに連絡を入れてありますから、もうそろそろ着く頃です」 |
| フィオ |
「グ、グリンだって!」 |
|
その言葉を発する間も無く、扉を強引に開けるアリスタ。 |
| 少女 |
「きゃあ!」 |
|
少女は手にあった石を落とす。
床に落ちて砕け散る石。 |
| 少女 |
「あぁ〜〜〜ッ!! ビジョンのエレメンタルジェムが〜ッ!」 |
| アリスタ |
「貴様、何者だ!」 |
|
アリスタは持っているロッドを少女に向ける。
アリスタの背後から現れる、フィオ、ピノ、ジェナード。 |
| ジェナード |
「カタリム…お前、カタリムじゃないか!」 |
| 少女(カタリム) |
「あ、おじさん! どうしてここに?」 |
| ジェナード |
「おじさんって…まったく、あいかわらずだな。こんな所で一体何をしてるんだ?」 |
| ピノ |
「今…グリン…とか言ったわよね」 |
| カタリム |
「ッ!」 |
|
カタリムはピノの姿を見て驚く。 |
| カタリム |
「あなた達が、ヨシュア様の言っていた…冒険者…んぐ!」 |
|
しまった、と言ったように自分で口を塞ぐ。 |
| フィオ |
「おい、どういう事だよ」 |
| カタリム |
「アハ…アハハハ〜」 |
|
カタリムは胸にあるブローチを裏返す。
紅の聖十字の刻印。
真摯な表情。 |
| カタリム |
「はじめまして、私はサンタマリア王家直属親衛隊『炬(カガリ)のクロスナイツ』、カタリム=クロラフィル。
そしてこの学校の学長マギウス=クロラフィルは私の作り出した幻影であり…」 |
|
ニッコリと笑うカタリム。 |

|
| カタリム |
「私が、この学校の学長なんです」 |
|
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| ○同・エルシュリク魔法学校時計塔 |
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露になった絵画。
武器を構えるルーン。 |
| ルーン |
「『Liberate』」 |
|
ロッドから刃が現れる。 |
| ルーン |
「……」 |
|
絵に描かれている女性、浮き出ている生徒達の顔、そしてペン。 |

|
| ルーン |
「何も起きねえじゃねえか?」 |
| シャイン |
「絵が魔将なんですよね?」 |
| グレイ |
「これ、ペン?」 |
| ルーン |
「ん?」 |
|
同意を求められたルーンは、絵の右下隅に描かれているペンを見る。 |
| シャイン |
「随分、この絵には似合わないモチーフだと思うのですが?」 |
| ルーン |
「じゃあ、何だ。この魔将は…ペンも吸い込みやがって事か?」 |
| ? |
「ヴァティス様…」 |
| ルーン |
「ん、何か言ったか、シャイン?」 |
| シャイン |
「いいえ、私は何も?」 |
| グレイ |
「でた…」 |
|
耳を立て、尻尾が逆立ち震えるグレイは絵を指差す。
絵から飛び出てくる狂気の女性・ソファーラ。 |
| ソファーラ |
「今、お慕いする彼方様に…悪夢の宴を!」 |
| ルーン |
「シャイン!」 |
| シャイン |
「プロテクティブ・サークル!」 |
| ソファーラ |
「きゃあああっっっ!」 |
|
防御魔法により弾かれるソファーラ。
恨めしげに、ルーン達を睨む。 |
| ソファーラ |
「どうして? 共に眠るだけなのに!」 |
| ルーン |
「んな、狭い所で寝てられっか!」 |
|
神具を構えるルーン。 |
| ソファーラ |
「あら…そんなものを使えば? この子達は二度と目を覚まさないわよ」 |
| シャイン |
「主ラシューヌ神。死せる魂を、常世の光へ葬らん!
『イクソシズム』!」 |
|
シャインの手から放たれる強烈な光。 |
| ソファーラ |
「クッ!」 |
|
天井へと飛ぶソファーラ。 |
| ソファーラ |
「愚かな人間め、この世界の理も知らぬ、愚かな人間共め!」 |
|
高らかに叫ぶソファーラ。 |
| ソファーラ |
「ア〜ハハハハハハハハ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
| シャイン |
「駄目です。相手を弱らせるか…もしくは動きを止めるかしないと…」 |
| ルーン |
「単に、絵に憑いている魔将じゃないのか?」 |
| シャイン |
「上位魔将にしても、力があまりにも違いすぎます…まるでこれは…」 |
|
そこへ駆けてくるフィオ達。 |
| フィオ |
「グレイ、水だ!」 |
| グレイ |
「え!」 |
| フィオ |
「相手が絵に取り憑いてる魔将だっていうなら…」 |
| カタリム |
「絵画保存の禁忌、水と…」 |
| アリスタ |
「六元の紫…大気揺れる風よ。我が意思により、天裂く嵐となれ。
『トルネード』!」 |
|
竜巻が天井へと伸び派手に壊れ、日の光が降り注ぐ。 |
| カタリム |
「直射日光!」 |
| ソファーラ |
「キャアアアアアアアアァァァァ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
| ピノ |
「グレイ、ウンディーネよ!」 |
| グレイ |
「オッケ〜、ピノ。『聖獣アール=グレイの名において命ずる、出でよ…ウンディーネ』!」 |
| ウンディーネ |
「承知しました、グレイ様!」 |
|
グレイの第三の瞳から現れる、人魚。
それは水の塊となってソファーラに被さる。 |
| ソファーラ |
「嫌アアアアァァァァ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
消滅するソファーラの体。
そして、額縁の中のソファーラが描かれたキャンバスが砂のように崩れ落ちる。 |
| ジェナード |
「やったか?」 |
| カタリム |
「はい!」 |
|
額縁に駆け寄るカタリムは、床にポトリと落ちたペンを拾う。 |
| カタリム |
「良かった…」 |
| グレイ |
「ふう…」 |
|
バタリと倒れこむグレイの体を、ルーンは支える。 |
| ルーン |
「よし、大したもんだ。これで、もうちょっと忍耐力があればな」 |
| ピノ |
「それを言うなら精神力でしょ」 |
| フィオ |
「でも…」 |
|
フィオは魔法で開いた天井の大穴を見上げる。 |
| フィオ |
「随分派手にやっちゃったね…アリスタさん…?」 |
|
アリスタの顔を見上げるフィオ。
アリスタは怪訝そうに、額縁だけ残る絵画を見つめる。 |
| アリスタ |
「あの女…どこかで…」 |
| フィオ |
「え?」 |
|
一方、手に戻ったペンを感慨深く見つめるカタリム。 |
| ジェナード |
「マギウスの形見か?」 |
| カタリム |
「はい。私は、このペンがないと本当に何も出来ませんね」 |
| ジェナード |
「…それはそうと、カタリム…実は…」 |
|
シャインを紹介しようとするジェナード。 |
| シャイン |
「カタリム…さん?」 |
| カタリム |
「!」 |
|
見上げたカタリムの視線の先には、目を閉じたまま不思議そうな表情のシャイン。 |
| カタリム |
「フレディンさん!」 |
| ジェナード |
「やはり、他人の空似ではないよな?」 |
| シャイン |
「あ、あの…」 |
| カタリム |
「レオハルトのバックアップメンバーは私達2人きりだったんです。間違えるわけないです!」 |
|
シャインに駆け寄るカタリム。
カタリムはシャインに抱きつく。 |
| シャイン |
「カタリムさん?」 |
|
顔を上げるカタリムは涙目。 |
| カタリム |
「どこで何をされていたんですか、オーフェ様が…一体どれだけ心配なされているか!」 |
| シャイン |
「オーフェ…様?」 |
| ジェナード |
「カタリム。フレディンには…聖戦の記憶がないんだ」 |
| カタリム |
「え…」 |
|
すまなそうに顔を伏せるシャイン。 |
| シャイン |
「申し訳ありません」 |
| カタリム |
「まさか…マーハ様の事で?」 |
| シャイン |
「え?」 |
| カタリム |
「身を引いただなんて…ないですよね?」 |
| ジェナード |
「!」 |
| シャイン |
「う!」 |
|
口を覆うシャイン。
と、場を断ち切るようにフィオの間延びした声が響く。 |
| フィオ |
「なあ〜、カタリム。この額縁。壁にめり込んで取れないぞ」 |
| カタリム |
「え?」 |
|
フィオに近付いていくカタリム。
額縁が壁に一体化しているように埋め込まれている事に気付く。 |
| カタリム |
「変ですね。この額縁は、あの絵を購入した際に一緒に壁に引っ掛けただけなんですけど…」 |
| フィオ |
「買ったのかよ…あの気持ち悪い絵…」 |
|
ふいに、大声を上げるピノ。 |
| ピノ |
「何か出てくる!」 |
| シャイン |
「いけない、二人とも!」 |
|
ピノとシャインの悲鳴に、反応したルーンとジェナード。
フィオとカタリムを抱え、額縁から離れる。 |
| ソファーラ |
「フフフフフフ…、ア〜ハハハハハハハハァァァァ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
高らかに響くソファーラの悲鳴。
額縁が壁の中に消えていき、壁が鼓動を打つように揺れている。 |
| ルーン |
「チッ、終わったんじゃねえのかよ!」 |
| ソファーラ |
「魔族のくせに〜〜〜〜ッ、人間に組する愚か者! そしてぇ〜〜〜〜、あの忌まわしい獅子の翼に乗るレインの犬がぁぁぁぁ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
| ルーン |
「しつこい女だ!」 |
| フィオ |
「額縁が本体?」 |
| ルーン |
「いや、校舎そのものを乗っ取りやがった」 |
|
眠るグレイを抱えるルーン。 |
| ソファーラ |
「あたしのはらわたの中で、死んでしまえ〜〜〜〜、アハハハハ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
| ルーン |
「とにかく、一旦外に出るぞ!」 |
| フィオ |
「うん!」 |
|
一様に頷く他一行。
その場を駆け出す。 |
| ソファーラ |
「騙されている事も知らず、ライムランドの民よ…愚かな人間どもよ! アハハハ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
廊下を走る全員。 |
| ルーン |
「ったく、狂ってやがる」 |
| アリスタ(M) |
「あの女…どこかで会った事がある。でも、一体どこで?」 |
| ジェナード |
「校舎を丸ごと取り込んでしまうなんて、なんて女だ」 |
| シャイン |
「とても強力な魔力です。普通の神官では太刀打ちできませんよ」 |
| フィオ |
「大体、なんであんな絵なんか買ったんだよ!」 |
| カタリム |
「絵を放って置くわけにはいかなかったんですよ〜!」 |
| フィオ |
「あの女、一体何者なんだ」 |
| カタリム |
「ソファーラ…としか…」 |
|
校庭へと出る一行。
アリスタはその足を止める。 |
| フィオ |
「アリスタさん?」 |
| アリスタ |
「魔王だ…」 |
|
|
|
フラッシュバック・LEGEND =Dream= 第3話 |

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|
|
| フィオ |
「え…」 |
| アリスタ |
「八魔王の一人、ソファーラ…」 |
| ピノ |
「魔王ですって!」 |
| フィオ |
「魔王の…怨霊?」 |
|
一行は振り返る。
崩壊した校舎から、這い出てくる巨大な女性の姿。
恨めしそうに天を仰ぐ。 |

|
| ソファーラ |
「ヴァティス様…ヴァティス様…彼方はどこに逝かれてしまったのですか…?」 |
| ルーン |
「魔王だなんて…どうすりゃいいんだ?」 |
|
グレイを背負うルーンの顔に戸惑い。 |
| アリスタ |
「あの時私達は、マホメト師に救ってもらったが…」 |
| ピノ |
「それこそ…レインでも居なけりゃ魔王なんて倒せるわけないじゃない!」 |
| ジェナード |
「だな…」 |
|
ニヤリと笑うジェナード。
カタリムのペンに目を移す。
一方、ずるずると校舎から出てくるソファーラの巨体。 |
| ソファーラ |
「人間共を生贄に悪夢の降臨を…」 |
| カタリム |
「さてと…」 |
|
カタリムはフィオ達に対してニッコリと笑う。 |
| カタリム |
「世界で一番強いのは、一体誰でしょう?」 |
| グレイ |
「そりゃ、レインだよ!」 |
| ルーン |
「おい、お目覚めか?」 |
|
ルーンの背から降りるグレイ。 |
| グレイ |
「もう、大丈夫だよみんな。もう一回精霊を喚ぶから…」 |
| ピノ |
「だめよ、グレイ。相手は魔王の怨霊なのよ、時間稼ぎにしかならないわ!」 |
| カタリム |
「まあまあ、ここは私に任せて下さい!」 |
|
ペンを構えるカタリム。 |
| カタリム |
「さあ、オールスターの登場ですよ!」 |
|
スラスラと空中に絵を描き出すカタリム。 |
|
| フィオ |
「あれは…アレス王!」 |
| ピノ |
「グリン様にヨシュリア様でしょ…それに…!」 |
| グレイ |
「あはは、すっごいや〜!」 |
| ルーン |
「おい、じゃあ最後に出てきたあの女…まさか…」 |
| シャイン |
「マーハ様…」 |
| ルーン |
「マーハ…あの肖像画の…」 |
| シャイン |
「ラシューヌ=マーハ=ルライリス…」 |
| フィオ |
「ラシューヌ神…あの子が?」 |
| アリスタ |
「ルラマーハか…」 |
| ソファーラ |
「ブルーストーンのレインッ!」 |
|
アレスのピクトを恐ろしい形相で睨むソファーラ。 |
| ソファーラ |
「ルラマーハ…貴様達が居なければ…うっ、ウギャアアアアァァァァ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
レインの集中攻撃。 |
| ソファーラ |
「ヴァティス様ぁぁぁぁ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
消滅するソファーラ。
光に包まれる中に、レインのピクトも消える。 |
| ルーン |
「あっけないな…」 |
| ピノ |
「まあ、所詮幽霊ってことよね」 |
| グレイ |
「そりゃ、そうだけど…」 |
| シャイン |
「オーフェ様…」 |
|
顔を手で覆うシャインは、その場に屈みこむ。 |
| フィオ |
「シャ、シャイン!」 |
|
心配そうにシャインの目線に併せて屈むフィオ。 |
| フィオ |
「大丈夫か?」 |
|
震えるシャインの様子を見つめる、カタリムとジェナード。 |
| カタリム |
「ゆっくりと思い出してください、フレディンさん…」 |
| ジェナード |
「カタリム…」 |
|
カタリムは屈み、シャインを抱く。 |
| カタリム |
「どうかこれだけは覚えていて下さい。オーフェ様はあなたの帰りを待っています。マーハ様への想いはもう…」 |
| シャイン |
「……」 |
| フィオ(M) |
「イエローストーンのレインであるオーフェ様は天界の神様…」 |
|
|
|
フラッシュバック・LEGEND =Questers= 第7話 |
| ダジリン |
「俺様と一緒にレオハルトに乗ったクルーだ。バックアップで皆に癒しを恵んだ天使…」 |
|
|
| フィオ(M) |
「本当にシャインは天人なのか…」 |
|
心配そうにシャインとカタリムの様子を見つめる、他一行。
その表情。 |
| アリスタ(M) |
「大神オウフェンもまた…ラシューヌ神ルラマーハを想うか…」 |
| ルーン |
「さてと、ソファーラを倒したのはいいが…」 |
|
ルーンはボロボロに崩れ果てた校舎に目を向ける。 |
| ルーン |
「あれの始末は…どうするつもりだ?」 |
| カタリム |
「ッ!」 |
|
ガバッと顔を上げるカタリム。
その校舎の現実に気付き、頭を抱える。 |
| カタリム |
「ああああぁぁぁぁ〜〜〜〜ッッッッ!」 |
|
|
| ○同・エルシュリク魔法学校前 |
|
修繕工事をしている校舎。
その様子を眺める、アリスタ、カタリムとジェナード。 |
| アリスタ |
「随分と早い長期休暇になってしまったな、学長」 |
| カタリム |
「そうですね〜」 |
| アリスタ |
「しかし、なぜマギウスを…あなたの叔父を学長に立てる必要があった? クロスナイツであるあなたなら、教師も保護者も納得するだろう」 |
| カタリム |
「実はですね、私はピクトマンサーなのですが…古代語魔法はほとんど使えないんですよ」 |
| アリスタ |
「は?」 |
| カタリム |
「本当の話です。まあ、魔術師のピクトを出して魔法を使えば良いだけの話なんですけど。
ですからペンがないと何も出来ないんですよね」 |
| アリスタ |
「はあ…」 |
| カタリム |
「それにあなたの事も…調べるようにとヨシュア様から言い付かっていました」 |
| アリスタ |
「!」 |
|
驚くアリスタ。 |
| カタリム |
「もう、全てを話しても構わないでしょう。聖戦の真実は今はまだ、人に伝えるべきではない。それがヨシュア様をはじめとするレインの皆様のお考えです」 |
| アリスタ |
「……」 |
| カタリム |
「しかし、一般人であるあなたと、エイセル。そして彼の妹レニーはその真実を知っている。公言されてしまっては困るんですよ」 |
| アリスタ |
「フッ…そんな無粋な事を…」 |
| カタリム |
「でしょう? あなた方はそんな人間ではない」 |
|
微笑むカタリム。
アリスタはその微笑に見入る。 |
| アリスタ |
「マホメト師は私達の命を救った。ゆえに礼の意を含め敬称をつけるが、私はレインを尊びはしない」 |
| カタリム |
「どうしてですか?」 |
|
小さく笑うアリスタ。 |
| アリスタ |
「それが…彼らの重荷になるからな…」 |
| カタリム |
「…あなたは」 |
| アリスタ |
「レニーはシスターだ。それは不可能だろうが、エイセルもまた同じ考えであると思う。
事情は分かった。しかし…何かが変わろうとしているな?」 |
| カタリム |
「はい…」 |
| ジェナード |
「お前がフィオに渡した、ヨシュアへの修復費用請願書。真の目的は、彼らとレインの謁見か?」 |
| カタリム |
「そうですね。サンタマリアに渡れば…ついに彼らはヨシュア様とお会いするんですよ」 |
| アリスタ |
「レインは彼らに何をさせようとしている?」 |
| カタリム |
「裁きです」 |
| アリスタ |
「裁き?」 |
| ? |
「びめざま〜〜〜〜ッッッッ!」 |
| 3人 |
「!」 |
|
ボロボロにやつれたジニアス。
杖に寄りかかりながら、カタリムの目の前で倒れる。 |
| カタリム |
「あぁ、だ、大丈夫ですか?」 |
| ジニアス |
「ア、アルティマは…危険です」 |
| カタリム |
「は?」 |
|
それまでと違い、声に力の入るジニアス。
倒れこんだまま。 |
| ジニアス |
「レインの居ない新大陸アルティマは、コンピニア大戦時代より突如現れた大陸と言われています。それはなぜか、アルティマはコンピニア大戦により生まれた大陸であるからです。
この地は…大陸ではない。災いの眠る臥床」 |
| ジェナード |
「おい、お前…」 |
|
ガバッと顔を上げるジニアス。
血走っている目、片手にはフィオの肖像。 |
| ジニアス |
「姫様をご存知ありませんか〜!」 |
| アリスタ |
「これは…フィオではないのか?」 |
|
ジニアスはアリスタの手を握る。 |
| ジニアス |
「そうです〜、そうですとも〜。ファルシーオ=ルルカ姫。こちらのクエストを引き受けたとのお話を伺っているのですがぁ〜ッ!」 |
| カタリム |
「つい、昨日。旅立たれました」 |
| ジニアス |
「ッ!」 |
|
バタリと再び倒れるジニアス。 |
| アリスタ |
「おい、しっかりしろ?」 |
| ジニアス |
「また、行き違いですか…」 |
|
消え入りそうな声。 |
| ジニアス |
「け〜れ〜ど〜も〜ぉぉぉぉ〜〜〜〜!」 |
|
立ち上がるジニアス。 |
| アリスタ |
「うあ!」 |
| カタリム |
「ひ!」 |
|
拳をぎゅっと握る。 |
| ジニアス |
「1日ですよ、ついにここまで縮まりました〜、ひ〜め〜さ〜まぁ〜〜〜〜!
ジニアス、すぐにお傍に参りますぅ〜〜〜〜!」 |
|
|
| ○旅の街道 |
|
歩く一行。 |
| フィオ |
「はっくしょん!」 |
|
大きなクシャミをする。 |
| グレイ |
「どうしたの、フィオ。カゼ?」 |
| ピノ |
「う〜ん」 |
|
フィオのおでこをさわるピノ。 |
| ピノ |
「熱はなさそうね」 |
| フィオ |
「う…」 |
|
ブルリと体を震わす。 |
| フィオ |
「なんかすご〜く嫌な予感がするんだよな…アハハハ〜」 |
| グレイ |
「フィオと同じくらいだったよね…」 |
| フィオ |
「え?」 |
| グレイ |
「ルラマーハ様」 |
|
|
|
フラッシュバック
一行の前に現れるルラマーハのピクト。 |

|
|
|
| フィオ |
「うん、アレス王が旅立ったのは13歳の時だっていうから、ちょうど同い年かもしれないな」 |
| ピノ |
「あのシーザーっておじさんが言ってたじゃない。聖戦について知りたいなら、ルラマーハ様についても知っておけって」 |
| フィオ |
「うん…」 |
|
少し顔を伏せるフィオ。 |
| フィオ(M) |
「ルラマーハ様…オレと同い年くらいの女の子だった。とても神様とかには見えなくて…」 |
| グレイ |
「天界にいらっしゃるんだよね」 |
| ピノ |
「どんなお方なんだろ〜、いずれルラマーハ様にもお会いできたりしないかしら?」 |
| フィオ(M) |
「本当に普通の…人に見えた」 |
|
ぼんやりと思い起こすフィオ。 |
| シャイン |
「……」 |
|
黙っているシャイン。
それに気付いたルーンはポツリともらす。 |
| ルーン |
「おい、シャイン」 |
| シャイン |
「……」 |
| ルーン |
「前に旅した女にな、言われた事がある。思い出したくないものは、大概辛い記憶だとさ」 |
| シャイン |
「…はい」 |
| ルーン |
「無理に思い出す必要はねえんじゃねえか?」 |
| シャイン |
「ルーンさんは…」 |
| ルーン |
「ん?」 |
| シャイン |
「ルーンさんでしたら、どうしますか?」 |
| ルーン |
「俺か…」 |
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軽く神具に手を掛けるルーン。 |
| ルーン |
「忘れなんてしねえ。それだけだ…」 |
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先に歩いている、フィオ、グレイとピノを見つめるルーン。 |
| ルーン(M) |
「だから俺は、レインを許さねえ」 |
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| To be continued… |
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LEGEND =Questers= |
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