第15話「魔王はいない」
シーンB
○ヤスリブの街・大通り
イヴンの家へ向かう一行と、イヴン、スティック。
ルーン 「スティックっていったな、半魔族」
スティック 「なんだ、半魔族?」
ルーン 「ジャキィスという名前の魔族について知らないか?」
スティック 「ジャキィスだと…?」
ジニアス 「ルーン、あなたという方は先ほど忠告したばかりなのに」
フィオ 「オレも知りたいな。ジャキィスのこと」
ジニアス 「姫様まで…」
スティック 「イヴンは知ってるか?」
イヴン 「あたしが逆に知りたいくらいだよ。なんであのはぐれ魔族を知ってるんだってね」
ルーン 「はぐれ魔族?」
イヴン 「スティックは知らないだろうよ。聖戦前はずっと地下暮らしをしてたんだから。あたしの父親…ベドゥイン、そしてガルスの父親のルシアンは魔王・デビルダスに抗うレジスタンスの首領だった。ジャキィスは10といくつの子供だっていうのに、レジスタンスのメンバーに属してた」
ルーン 「ジャキィスが?」
イヴン 「ああ。あたしも当時は子供だったけどさ。あいつときたら、あたしよりもほんの少し年が上なだけなのに、えらく剣の腕がたつんだよ。おまけに逃げ足は速くてね…死ぬかもわからないような任務を軽々と果たして帰ってきては飄々と笑ってたよ」
スティック 「でも、レジスタンスは…」
イヴン 「ああ。ルシアンが捕まってね、処刑された。父さんとジャキィスは幼いガルスとダルス。ああ、ダルスっていうのはガルスの兄でね。それにあたしを連れてここ、ヤスリブの街まで何とか逃げ延びた。だけど、幼い子供を連れて逃げるのにも限界があったよ。レジスタンスも散り散りになり、いよいよあたし達の居場所がデビルダスにばれた時に、父さんがガルス達兄弟をデビルダスに売り渡すことに決めたんだ。生き残った残り少ないレジスタンスのメンバーを守るために」
グレイ 「ガルシアン様を売り渡すって…ガルシアン様はパープルストーンのレイン、魔王の敵じゃないですか!」
イヴン 「そうだね。だが、デビルダスはレインを殺さない」
ピノ 「え?」
イヴン 「殺したって無駄だからさ。死ねば新たなレインが生まれる。だったら魔王のする事はただ一つだ」
ジニアス 「利用…したのですね」
イヴン 「そう。ガルスはルラをおびき出す餌だ。ただ裏切られても困る。だからガルスの実の兄であるダルスもデビルダスは要求した」
ルーン 「ジャキィスは…奴もそれに加担したのか?」
イヴン 「いや」

○イヴンの回想・レジスタンスアジト
幼いイヴンはベドゥインの足元に隠れる。
言い合うベドゥインとジャキィス。
二人を疲労の色濃いレジスタンスの魔族が囲む。
ジャキィス 「嘘だろ、魔王軍に下るなんて!」
ベドゥイン 「今、我々が生き残る手段はこれしかない」



ベドゥインは幼い子供、ダルシアンとガルシアンの頭を撫でる。
ベドゥイン 「デビルダスもこの子達を引き渡せば我々の命を保証すると言ってきた」
ジャキィス 「だからって…」
一人反論するジャキィス。
周囲のレジスタンスの視線は冷たい。
ジャキィス 「大の大人がガキを犠牲にして生き延びるのかよ!」
ベドゥイン 「すまん、俺には実の娘がいる。命が惜しいんだ」
ジャキィス 「……」
ジャキィスは諦めたように俯く。
不安そうにジャキィスを見上げるダルシアンとガルシアン。
ジャキィスは二人の子供の視線に腰をかがめ、にっこりと笑う。
ジャキィス 「俺は魔王の言いなりにはならねえ。デストニアを出て魔王に立ち向かう術を探す」
その言葉にベドゥインは驚く。
ベドゥイン 「デストニアを出るだと。この時勢にデストニアを出れば、魔族はどんな扱いを受けるか…」
ジャキィス 「これからこいつらが受ける仕打ちに比べりゃなんてこたねえよ」
ベドゥイン 「まだ幼いお前には分からないだろうな…」
立ち上がるジャキィス。
ジャキィス 「俺はまだガキだ。けどな、あんた達とは違う。魔王には屈しねえ。俺には魔族の誇りがあるんだ」

○同大通り
イヴンの話に聞き入る一行。
フィオ 「魔王に立ち向かう術か。結局見つからなかったんだよな?」
イヴン 「さあ、あたしは知らないね。あたしも魔王軍に下っていたわけだし」
スティック 「っていうか、お前魔王だったしな」
イヴン 「あのなぁ」
フィオ 「とても魔王だったなんて思えないけどなぁ、どうして魔王なんかになったんだ?」
スティック 「こいつはなぁ、魔族と父親を守るために…」
イヴン 「スティック!」
顔を赤くするイヴンは、スティックに大声で怒鳴る。
フィオ 「父さんを?」
イヴン 「…たった一人の肉親だからね」
気まずそうに顔を赤らめるイヴン。
その父を思う表情にフィオは気づく。
フィオ 「……」
ジニアス 「姫様、オルトロス様も…」
フィオ 「言うな、ジニアス」
一行は一軒の家の前にたどりつく。
扉を開けるイヴン。
イヴン 「父さん、帰ったよ…ッ!」
荒らされた室内。
ルーン 「こりゃ、一体なんだ?」
イヴン 「父さん!」
ベドゥインの姿はない。
呆然と立ち尽くすイヴンに対し、先に進むスティックは机の上にある紙を手に取る。
スティック 「やられた、イヴン。エデンノアの奴らだ!」
フィオ 「なんだ、そのエデンノアって?」
イヴン 「このデストニアではヴァティスの復活を望む魔族がいる。それがエデンノアと呼ばれる叛乱軍だ」
ルーン 「何だと?」
グレイ 「ヴァティスはレインが倒した。伝説では封じただけだったけど、聖戦では完全に消滅したんじゃ!」
スティック 「そうだな、正確にいえば魔界の解放だな」
フィオ 「魔界の解放?」
ピノ 「バッカじゃないの。そんな事をしたら、また世界が大変な事になっちゃうじゃない!」
イヴン 「聖戦でヴァティスは倒された。しかし未だ魔将は世界を徘徊する。この事象をどう思う?」
ジニアス 「どう、とおっしゃいますと?」
イヴンはスティックから紙を受け取ると、壁に背をもたれ大きくため息をつく。
イヴン 「このデストニアでは聖戦時代、魔将が魔族を襲うことなんかなかったんだ」
スティック 「だから、エデンノアの魔族は魔界の解放を願う。魔界がデストニアを庇護すると信じているからな」
イヴン 「スティック、行くぞ。カタコンベだ。道案内をしろ!」
スティック 「へいへい。よりにもよってこの俺の古巣かよ。なめたまねしやがって」
フィオ 「待ってくれ、オレ達も手伝う」
一行の前を去ろうとするイヴンとスティックを止めるフィオ。
スティック 「こりゃクエストじゃねえ。報酬は出ねえぞ、半魔族!」
ルーン 「報酬は情報だ。ガルシアンの居場所と、それにジャキィスについてな。もっと詳しい事は攫われたイヴンの父親が知ってるんだろ」
グレイ 「ジニアスは魔術師だし、僕は精霊が召喚できるから役に立つと思います」
ジニアス 「ええ、私の意向は無視ですか!」
ピノ 「だって、フィオが危険な目に合うとなったら反対するに決まってるじゃない」
ジニアス 「そ、それはそうですが…」
ルーン 「俺はジャキィスが調べていた『魔王に立ち向かう術』っていうのに興味がある」
ジニアス 「!」
ルーンの言葉にハッとなるジニアス。
ルーンはジニアスを睨む。
ルーン 「それが奴が探していた神具なのか、それとも別の何かなのか…な」
ジニアス 「……」

○同街・カタコンベ
拘束されるベドゥイン。
ベドゥインを囲む数人の魔族の戦士。
ベドゥイン 「魔界の解放だと? それが間違いだとなぜ気づかない?」
魔族 「ガルシアンがレインとなってデストニアに戻った。しかし聖戦の時代に比べ我々魔族の現状は悪化の一途をたどる。魔将は魔族をも襲うようになったからな」
ベドゥイン 「それで聖戦へ戻ろうというのか? ならばなぜイヴンを狙う!」
ガイアス 「魔王が必要なのだよ。世界に反旗を翻すための象徴が。元魔王であるお前の娘は適任だ」
魔族の背後から現れる只ならぬ雰囲気の男に、ベドゥインは身を竦める。
ベドゥイン 「お前は…何者だ!」
ガイアス 「知っているはずだ、ベドゥイン。この世界になぜ魔将が現れるか、そしてヴァティスとは何者なのか? 教えてやればいいじゃないか」
ベドゥイン 「その真実を知るのはレインとレオハルトの者だけだ…真実はまだ語られるべきではない」
ガイアス 「俺がお前を呼んだのは他に理由がある」
ベドゥイン 「何だと?」
ガイアス 「ジャキィスという男を知っているな?」
ベドゥイン 「ッ!」
ガイアス 「奴は聖戦終結後間もなく、お前に会いにきた。何かを伝えるために。それはいったい何だ?」
ベドゥイン 「知らん」
ガイアス 「あまり手荒な真似をしたくない、ベドゥイン」
ベドゥイン 「お、お前は…」
頬の傷に気づくベドゥインは、言葉を失う。
ガイアス 「……」
ベドゥイン 「アダムを封じる楔の双家。封印は石ではなく、意志を胎内に持つ対にある。その事実を隠せと言われていた。それが一体何だと…」
ガイアス 「なるほど…」
ガイアスは静かに右手をベドゥインに翳す。
ガイアス 「忘れてくれ」
ベドゥイン 「ッ!」
ガイアスの手にある封印石が光る。
同時に倒れるベドゥインと、カタコンベへ駆けてくる一行。
イヴン 「父さん!」
フィオ 「ガイアス!」
ガイアス 「チッ!」
ジニアス 「姫様、下がってください! 六元の紅…熱く燃ゆる炎よ。我が意思により、灼熱の業火となれ。『エクスプロード』!」
ガイアス 「姫だと?」
ジニアスの手から放たれる爆炎を避けるガイアスに対し、剣を構え斬りかかるフィオ。
フィオ 「たあっ!」
ガイアス 「クッ!」
剣を抜き、フィオのファルシオンを受けるガイアス。

フラッシュバック・ガイアスの回想
グリーンウッドの牢獄から助け出されたイデア。
ガイアスに口惜しそうに呟く。
イデア 「初見、少年と思っていた。が、女であった。空色の瞳の娘。かの娘が楔の紋章を手にしていたのだ」

ガイアス 「まさか、お前か?」
フィオ 「これ以上、人を不幸にするのはよせ、ガイアス!」
ガイアス 「『人を不幸に』か…クックック」
フィオ 「世界の平和と人々の幸せ。お前はどう考えるとオレに聞いた。お前がしていることは、世界を脅かして人々を不幸にしているだけだ!」
ルーン 「フィオ、離れろ!」
フィオ 「!」
ガイアスに斬りかかるルーン。
ガイアスはフィオから間合いを取って離れる。
フィオを庇うようにして立つルーン。



ルーン 「ガイアス、てめえ。デストニアにまで来て、一体何を考えてやがる!」
ガイアス 「空の瞳の剣士、それにクテシフォンの孤児。お前達がレインに選ばれ、すべての真実を知ったその時こそ俺の言葉の意味を知るだろう」
フィオ 「!」
ガイアス 「『テレポート』!」
消えるガイアスの姿。
ルーン 「ガイアス!」
イヴン 「父さん、しっかりしろ!」
イヴンの必死の声に、フィオとルーンは我に返る。
縛られていエデンノアの魔族達。
ルーン 「そっちは片付いたのか」
ピノ 「魔将に比べればちょろいもんよ」
グレイ 「デストニアは六元の紫、風の力が強いから。シルフの力を借りれば、動きを止めるなんて簡単だよ」
笑うグレイ。
倒れたベドゥインの上体を起こすイヴン。
ジニアスは彼の様態を診る。
ジニアス 「これは…記憶の封印」
イヴン 「え?」
ベドゥイン 「ううぅ…」
イヴン 「父さん!」
目を覚ますベドゥインは、心配そうに自分をうかがう娘の姿に気づく。
ベドゥイン 「わしは一体…」
ジニアス 「あなたはガイアスに捕まっていたんです。一体何の記憶を封印されて…」
ベドゥイン 「何か重大な秘密を話した…そして、彼は…そうだ、レインに…ッ、ぐあッ!」
ジニアス 「重大な秘密…」
イヴン 「父さん!」
苦しそうに頭を抱えるベドゥインは再び気を失う。
ジニアス 「ふ、封印石は!」
あたりを見回すジニアス。
フィオ 「封印石?」
グレイ 「禁呪や精霊。今回は記憶。何かを封じるにはそれを留める魔力を持った石が必要になるんだ」
ピノ 「だったら、ガイアスが持って行っちゃったんじゃないの」
ルーン 「奴が他の人間に知られたくない秘密なんだとしたら、それが妥当だな」
イヴン 「父さんは…父さんの体には影響ないんだろうね?」
スティック 「笑わせるんじゃねぇッッッッ!」
突如響くスティックの怒声。
捉えたエデンノアの魔族に向かい、いきり立つ。
スティック 「イヴンに魔王になれだと。ふざけんな! 魔王がいないとお前らは生きていけないのか? 魔王がいないとお前らは戦えねえのかよ! 魔族っつーのはそんなに弱い種族なのか?」
魔族 「魔界が…デストニアが魔界の恩恵を受ければ魔将は消滅する。魔将は魔界から生まれた悪夢なんだろう!」
スティック 「チッ…」
イヴン 「魔界なんてもんは、もうないんだ」
イヴンは苦しむベドゥインの体をジニアスに預け、ゆっくりと立ち上がる。
捕らわれたエデンノアの魔族達に近づくイヴン。
スティック 「イヴン…」
イヴン 「魔界はヴァティスとともに消滅した。それに例え何もないその空間に再び魔界が生まれたとしても…」
スティック 「全界の交わりは絶たれている。異世界である魔界へのゲートが開かれることはもうねえ」
フィオ 「全界の交わりが…」
ルーン 「絶たれただと?」
ピノ 「じゃ、じゃあ魔界の解放なんて無理な話じゃない」
魔族 「そ、そんな…」
グレイ 「ルラマーハ様なら出来るかもしれないけどね。でも、神様がそう簡単に下界に降りて、ましてや魔界へのゲートを開くなんてことはするわけないけど」
スティック 「……」
イヴン 「……」
ジニアス 「この魔族達は、エデンノアの者達は騙されていたのでしょう。あの仮面の男に」
フィオ 「ガイアスか…」

フラッシュバック・フィオの回想
ガイアス 「空の瞳の剣士、それにクテシフォンの孤児。お前達がレインに選ばれ、すべての真実を知ったその時こそ俺の言葉の意味を知るだろう」
ルーン 「……」
一行、その表情。
ジニアスは、眠るベドゥインへと向く。
ジニアス(M) 「ジャキィスとこの者は通じていた。一体何の記憶を封じたのです、ガイアス」

○エバの街廃墟・バルナギーゼの館
地下室へと降りてくるバルナギーゼ。
壁に掛けられたのは楔の紋章。
バルナギーゼ 「我は望む。彼方夢幻を虚像と化し映し出せ…『ビジョン』」
壁に映し出されるガイアスの姿。





バルナギーゼ 「システムBに用いる魔族はどうなっている?」
ガイアス 「直に200程はお送りできるかと」
バルナギーゼ 「今やデストニアしかあるまい。我が軍の強化は」
バルナギーゼは振りかえる。
その先にある楔の紋章。
バルナギーゼ 「要となる、アダムの楔はいまだみつからんのか?」
ガイアス 「それも直に」
バルナギーゼ 「フン、失望させるなよ」
消えるビジョンの影。

○ヤスリブの街・廃屋
フラッシュバック・ガイアスの回想
剣を交え相対するフィオ。

ガイアス 「楔の対。空の瞳の剣士、ファルシーオ=ルルカ!」
天井を仰ぐガイアス。
ガイアス 「なぜ、ルルカ家の人間が正妻であるフィラデルフィアの捜索をせず死を報じ、あえて失踪を隠蔽したのか。そういうことか。楔の女は血族に封じられていた。楔の双家に女が二人。クックック、ハッハッハッハ!」
ガイアスの狂喜に満ちた高笑いが響く。

○テーベの街・グリーンウッド本部
グリンの部屋で対峙する、グリンとダイス。
グリン 「システムDが盗まれただと!」
ダイス 「ごめん、兄貴」
グリン 「ったく!」
椅子に掛けるグリン。
グリン 「ペンソもお前もどうかしちまってるぜ。こうも立て続けに…」
ダイス 「上級魔将が街を襲ってきた。あり得ない話だ、メンフィスの本部を直接狙ってきやがった!」
グリン 「やり口が同じだな…ガイアスだ」
ダイス 「…ギルドで指名手配の?」
グリン 「ああ。バルナギーゼ卿がコンピニアの魔道科学文明に興味を持ってるって言うのはわかっちゃいたが、こうも強引に手に入れようとしてくるたぁ、グリーンウッドも奴になめられたもんだぜ」
ダイス 「次はどう来ると思う?」
グリン 「俺達レインに喧嘩を売ってくるつもりだろ。上等だ。だが、問題はシステムDで変なもんを蘇らす様な事でもあるとやっかいだな」
ダイス 「そういや、アルティマでソファーラの怨霊が出たって話を聞いたけど」
グリン 「それだ。利用できそうな魔王。そうなるとサシで渡り合える人間はそうそういねえ」
ダイス 「聖戦のあの状況で復活しそうな魔王って誰だよ? ドレイクはヨシュアと戦って炎に焼かれて灰も残っちゃいない。ベナレスとデデムは爆発で粉々。イヴンは生きてるし、ウルグは人界で死んだ。ブラフマンは空の上で倒したから死体の回収なんてできっこないし。ソファーラが成仏したってなると…」
グリン 「一人…可能な奴がいる」
ダイス 「え!」

○グリンの回想・ライム城
アレスの私室。
集う三帝、アレス、ヨシュリア、グリン。
アレス 「墓があった?」
ヨシュリア 「ええ、先日の降神祭で訪れたソグディアナの街に」
アレス 「オーフェがそんな事を…」
ヨシュリア 「おそらく、彼に同情したのでしょうね。彼もまた、屈折した形ではありましたがマーハを愛した」
アレス 「……」
グリン 「オーフェが『はか』だぁ〜〜〜? 墓じゃねえ、あいつがバカだ!」
アレス 「グリン…よせ」
グリン 「チッ…」
文句が言い足りないようで、拗ねた顔をするグリン。
ヨシュリア 「どうしたものでしょうか?」
アレス 「どうもしないさ、ヨシュア…」
アレスは小さく笑い、椅子にかける。
アレス 「魔王だろうがレインだろうが…結局は変わらなかったじゃないか…」
グリン 「お前…」
ヨシュリア 「……」

○テーベの街・グリーンウッド本部
グリンはそれまでにない複雑な表情で無意識に呟く。
グリン 「タケル、オーフェ。情けが仇になるぜ…」

○エバの街廃墟・バルナギーゼの館
黒い影に対して不敵に笑うバルナギーゼ。
バルナギーゼ 「どうだ。8年ぶりの下界は?」
「黄泉からこの私を連れ戻したか、人間風情が…」
黒い翼を広げる影。
逆光に生える金の髪。

To be continued…
LEGEND =Questers=